それでは、考察を始めていきましょう。
今回は、ご依頼内容であるマナ面(「土地事故頻度」&「マナカーブ」)・「除去枚数」「長期戦頻度」(《変位エルドラージ》の可否)・につきまして順に見ていきたいと思います。
◆ 「土地事故頻度&マナカーブ」
色マナがスクリューした回数は23回。
5回に1回は何らかの色マナトラブルに巻き込まれていたことになりますので、残念ながら十分なマナベースが構築されていたとは言えず、再考が必要です。いくつかご提案していきますね。
● 土地=25枚
まずは、もう1枚土地を増やすことをオススメ致します。
《薄暮見の徴募兵》《不屈の追跡者》を有する『バント』は元々マナフラッドには強いデッキでしたが、そこに《密輸人の回転翼機》も加わっておりますのでフラッドリスクはさらに緩和されています。3色という都合上土地が多いに越したことはなく、【土地が止まるよりは余ったほうがまだいい】と思いますので、土地は25枚のほうが宜しいでしょう。
● バトルランドの採用
《大草原の川》ですね。
「タップインを嫌った」とお聞きしていたのですが、(少々辛辣な表現にはなるのですが)結果として「タップインを嫌った結果、必要な色マナが出なくなった」ということになってしまっていました。
1ターン目には動かないデッキですので、1ターン目にバトルランドをタップインさせてしまえば、その後は全てのM10ランドをアンタップインさせることができます。さらに、このデッキには2マナの能動的なアクションが12枚ありますので、3ターン目をタップインで過ごしたとしてもそこまで動きは阻害されません。
以上から、タップインリスクよりも色マナ安定メリットのほうが遥かに大きいと思われます。
● 《霊気拠点》の不採用
《霊気拠点》絡みのマナトラブルは12回です。
10回に1回程度ですので「少ない」と感じられるかもしれませんが、後半はかなりマリガンで弾いておりましたので、体感上は相当悩まさせられました。このデッキは2色を要求される実質ダブルシンボルのカードも多い中、エネルギーを補充できるカードが1枚もないため、1度使ってしまうと2度と色マナを捻出できません。
さらに、バトルランド・M10ランドとも相性が悪く「タップインを緩和するために投入されているはずの《霊気拠点》がタップインに貢献する」という皮肉な結果をもたらしていました。
何より・・・
この手札がマリガンになってしまうのですよね(-﹏-。)
(ちなみに《霊気拠点》が《大草原の川》でしたら即キープです)
《変位エルドラージ》が投入されておらず、特に(◇)マナを必要としないデッキですので、やはり「《進化する未開地》&バトルランド」マナベースのほうが安定するのではないでしょうか。個人的趣向もあるのかもしれませんですが、「エネルギー補充のない《霊気拠点》」は怖くてプレイしたくないですね(。-∀-);
◆ 「除去枚数」
続きまして除去の枚数です。
前提と致しまして『バントアグロ』に投入できる除去のスロットは限られており、基本的には《反射魔道士》や《呪文捕らえ》などで対応していく形になります。=枚数は今回の投入数ぐらいで限界ですので、量よりも質について検討していく、という形になりますね。
・1《断片化》
・1《神聖な協力》
・2《空鯨捕りの一撃》
以上が今回投入されていた「除去」スペルです。
実戦前は「どうしてこの選択なのだろう?」と思っていたのですが・・・理由は(おそらく)「コプター対策」なのですよね(*・ω.)?。確かに「2T:コプター」には苦労させられ、最悪の場合そのまま負けてしまいますので理には適っていると思いましたが、そちらの点も踏まえまして以下・・・
まずは《断片化》。
こちらについては、同じく1枚挿しされていた『初代バントアグロ』の《フェリダーの仔》についてこのように考察しております。
:1枚挿しの対策カードが働くのは、「①相手のデッキに該当カードが入っていて、②かつそのカードをプレイされ、③さらに1枚挿しの対策カードを引けている場合」であり、それはかなり低い確率ではないだろうか?
現在は「機体」や《スフィンクスの後見》などを見かける機会も多いのですが、やはり1枚ですと「都合良く引くことができた」に過ぎず、必要ない時に引いてしまったケースのほうが目立っていました。ですので投入するのであれば、プランニングとして組み込むためにも往年の『白ウィニー』の《解呪》宜しく2~3枚程度は確保したいと思いました。
仮に私がプレイするのであれば・・・
・2《石の宣告》
・2《空鯨捕りの一撃》
このように致しますでしょうか。
《密輸人の回転翼機》対策は薄くなってしまいますが、限られた枚数から選択するのであれば、万能除去である《石の宣告》を最優先に考えたいですね。2マナと軽く2アクションを取りやすいのも高評価のポイントです。
@ちなみに《神聖な協力》ですが、1度有利な状況から突如《不敬の皇子、オーメンダール》が走ってきて一転窮地に陥ったことがありましたが、その時都合良く手札にありまして、事なきを得たことがありました(。-∀-)b
◆ 「長期戦頻度」(《変位エルドラージ》の可否)
22回。
速攻で決着せず、膠着戦や消耗戦になった(=《変位エルドラージ》のターンになりそうな)ゲームの回数です。5回に1回ですのであまり多いとは言えないのですが、それは今回のデッキが「ビートダウンを強く意識していた」からで、歴代の組手でも何度か結果を残している《変位エルドラージ》は『バントの型』として十分にありでしょう。
そうですね、せっかくですので簡単にご説明致しましょうか。
今回のデッキリスト(再掲)です。
今回の『バントアグロ』は、軽量クリーチャーを展開後⇒《高速警備車》《天使の運命》《新緑の機械巨人》《領事の旗艦、スカイソブリン》といった「中マナ域のエンドカードを叩きつけて一気に決める」ようにプランニングされており、=ビートダウンを強く意識していたということになります。
対して、こちらが『初代バントアグロ』のデッキリストです。
《ムラーサの胎動》で粘りつつ、《変位エルドラージ》によるロックや《ウェストヴェイルの修道院 / 不敬の皇子、オーメンダール》の変身など中長期戦を意図した、言うなれば「アグロに見せかけたビートコントロール」ですね。
これら以外にも・・・
例えば《悲劇的な傲慢》を軸にした「コントロール」型や・・・
《呪文萎れ》を投入し、《呪文捕らえ》や《跳ねる混成体》で攪乱する「クロック」型など、「バント」は色々なデッキが考えられる優秀なカラーリングですよね(*-ω-)
本編は以上ですが、少しカード選択についてもふれておきますね。
《新緑の機械巨人》《領事の旗艦、ソブリン》《天使の運命》…フィニッシャーとして投入されていたカード達ですが、用法は異なれどそれぞれがしっかりと仕事をしていました。(ちなみに私の評価はこのイラストの順番です)
しかしながら、1枚だけ疑問符が付くカードがございまして・・・
それが《高速警備車》です。
まず、このカードをプレイする時は概ねオールインになりますので「リアクション」を信条とする『バントアグロ』の戦略には合っていません。さらに、上記のフィニッシャー達のようにそれで勝てるのであれば問題はないのですが、「5/3トランプル」はそこまでの脅威ではなく、受けがほとんど期待できないカードでもありますので対アグロにも弱いです。ですので・・・
このカードをプレイされるのであれば・・・そうですね、「色マナの安定」と「5マナへのジャンプアップ」をもたらしてくれる《耕作者の荷馬車》や、1枚で勝てるフィニッシャーである《生命の力、ニッサ》などのほうがオススメでしょうか。
こちらで最後になります。
正確にカウントしていたわけではないのですが、今回のデッキがビートダウン特化だったこともあり、《巨森の予見者、ニッサ》が反転したのは5回未満だったと記憶しております。ですので《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》と入れ替えてしまうのも一案ですね。こちらも1枚で勝てるカードですし、「《ラムホルトの平和主義者》を4/4にする」「《永遠の見守り》や《ギデオン》の紋章と合わせて《衰滅》圏外に逃れる」などシナジーも豊富ですからね。
今回は以上になります。
ご覧頂きありがとうございました(*_ _)
百人組手の人
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