コラム:シャドウエンジェル

(※画像は別天です)

 

 さて、前回【コピーキャット】の続編です。

 紆余曲折を経て、【シャドウエンジェル】へと辿り着いてしまいましたが・・・

 まずは簡単にご紹介致しましょう。



◆ シャドウエンジェルとは?

 簡潔に申し上げれば、「《耕作者の荷馬車》《炎影の妖術》《たなびき織りの天使》を用いた3枚瞬殺コンボ」です。クリーチャーをブリンクする能力を持つ《たなびき織りの天使》で、”クリーチャー化した”《耕作者の荷馬車》を戻せば、何度でも《炎影の妖術》起動の[赤]マナを支払うことができる=天使トークンを無限に戦場に出すことができるようになりますので・・・


(。-∀-):「あとは天翔ける天使軍団(速攻付)でアタックして勝利!!」

 

   無限ループ手順

・①:6マナ+《荷馬車》・妖術を出してるところに《天使》をキャスト

・②:《天使》の能力にスタック⇒《荷馬車》から赤マナ&《天使》を搭乗させる

・③:《天使》の能力を解決し、クリーチャー化した《荷馬車》をブリンク

・④:《荷馬車》からの赤マナで《妖術》を起動 ⇒《天使》のコピーを作成

・➄:コピー《天使》の能力で本体《天使》をブリンク  ⇒ ②へ戻る

※以下ループ


(。-∀-):「一瞬でゲームに勝てるゾ!」

(-ω-●):「決めることができればね…」

 

 それでは頑張って構築していきましょう。



◆ 構築


・《耕作者の荷馬車》×1

・《炎影の妖術》×1

・《たなびき織りの天使》×1


 今回の「必勝の型」です。

 コンボデッキですのでパーツ3枚は必須、加えて[白白]を含む計7マナがあればコンボをスタートできるのですが、《耕作者の荷馬車》はアーティファクトですので無色、つまり《炎影の妖術》と《たなびき織りの天使》の白赤2色だけで構築できるのです。


 が、2色での構築は考えないことにしました。

 理由は、白赤はともに真っ直ぐなカラーリングゆえにできることが少なくなりそうなこと、コンボパーツの《耕作者の荷馬車》がナチュラルに多色サポートになっているため、3色目を問題なく運用できそうだったからです。あとは青・黒・緑から何を選ぶかということになりますが・・・


 3色目は青を選ぶことにしました。

 コンボと言えば青!。5色中最もテクニカルなカラーであり、コンボパーツを探すドロー操作にも秀でています。また、【コピーキャット】のトップ画像を担当頂いた《サヒーリ・ライ》嬢にもなんとかご出場頂きたかったので、3色目は青に決定。


 [白青赤]のジェスカイカラーで構築開始です。



■ VER.1(ブリンク型)

 初号機がこちら(リストは割愛)。

 《反射魔道士》《つむじ風の巨匠》《つむじ風のならず者》等々、《炎影の妖術》《たなびき織りの天使》と相性の良いCIP(※「戦場に出た時誘発する」の意)能力を持ったクリーチャーで固めたデッキです。本家『コピーキャット』も「コンボではなくビートダウンで勝つことも多い」と言われるデッキですので、そのコンセプトを踏襲した形。

 

 が、このデッキには大きな問題点がありました。


(-ω-●):「《天使》いらないよね…」

φ(-_@):「《本質の変転》使えって話。。。」


 大体わかっていたことなのですが、「クリーチャービートダウン」を主軸としたデッキですとどうしても《たなびき織りの天使》(というよりコンボそのもの)が浮いてしまうのです。わざわざこれ1枚のために[白白]をタッチしているのですが、ブリンクが欲しければ1マナの《本質の変転》を使ってビートダウンしてしまったほうが良いのは明らかでした。1度もコンボが決まらなかったので没に。



■ VER.2(コントロール型)

 二号機です。

 コンボに最大限フィーチャーし、カウンターや《天才の片鱗》といったお決まりのコントロール要素のフィニッシャーに《たなびき織りの天使》を強引に据えてみた、コンボを決めたくて決めたくて仕方がない思いが溢れた形。(この段階でシナジーがなくなってしまったので、《サヒーリ・ライ》は残念ながら離脱)


 思いが通じたのか、何度かコンボを決めることに成功(。-∀-)b

 が、ここで【最大の悲劇】に見舞われます。



φ(-_@) :「コレ、5回しか起動できないね」


 …「無限コンボ、無限にあらず」。

 いえ、確かにコンボ自体は無限ループなのですが、MDの対人戦では5回しかタイマーをストップできないのです。さらに《炎影の妖術》起動のタイム進行がとんでもなく速く(クリーチャーが着地した時には半分以上過ぎています!)、人力で割り込むこともほぼ不可能な状態…。


 5回しか起動できない=4/4天使トークンを5体しか出せないということ。

 つまり、必殺の無限コンボを炸裂させたとしても、相手のライフが21以上か戦場に飛行ブロッカーがいれば、「相手が投了してくれない限り負けるのはこちら」という不合理。何度か「コンボ中にタイマーを止め、無限ループが決まったことをアピールして投了を促す」という姑息なプレイを経たあとに、他の勝ち手段を入れることを決断したのでした。



■  VER.3(LO複合型)

 …三号機。

 コンボ以外の勝ち手段として《氷の中の存在》と《スフィンクスの後見》を投入。+コンボで勝つためには「ライフを20点以下にしておく」ことも重要ですので《熱病の幻視》を。LO複合型というより、完全にLOに異物が混入した状態ですが、LOに含まれる大量のドロー操作はそのままコンボを探すことに繋がりますし、エンチャントは避雷針にもなってくれます。まさか本命が《たなびき織りの天使》とは思うまい


 机上の上では案外悪くなさそうだと思っていたこのデッキ。

 が、しかし・・・


(*-ω-):「全然LOできないです><」


 そうなりますよね。

 『純正LO』が60枚の全てを懸けて山札を削りにいってギリギリ、という現在の高速環境です。《スフィンクスの後見》を貼ったあとに時折顔を出す《炎影の妖術》や《たなびき織りの天使》と遊んでいて間に合うわけもなく、LOに迷惑をかけただけという結果に。「3T《後見》&《後見》ムーブを悠々と《新緑の機械巨人》に踏み潰された」あとにこの形は諦めました。



■  VER.4(最終型)

 そしてこちらが実際に使用したリスト。

 単体でも活躍を期待できる《氷の中の存在》《熱病の幻視》はそのままに、機能しない《スフィンクスの後見》をお役御免。《焦熱の衝動》《蓄霊稲妻》《光輝の炎》といった定番のアグロ対策カードを投入した形です。


 ポイントは、青い《致命的な一押し》?《抜き取り検査》。

 デッキ自体にコントロール能力があるわけではなく、「延命措置を繰り返しているうちにコンボを決められるかどうか」が勝負になります。ならば僅か1マナで時間を稼いでくれ、コンボデッキにとっては地味に嬉しい占術付、ということで採用してみました。


 お世辞にも綺麗なリストとは言い難く、大満足と言える代物ではなかったのですが、どうやらこのあたりが構築力(と時間)の限界の模様。これ以上考え続けると脳漿が炸裂してしまいかねないので、これで実戦開始です。



◆ 結果


● 11勝14敗(25戦)

● コンボ達成回数:6回


 天使、空を舞えず。

 1ターン差の惜しいゲームもありましたし、コンボ達成回数6回は善戦と言えるかもしれませんが、最後まで「わざわざコンボを狙いにいっている」感を払拭することはできませんでした。デッキのためにコンボがあるのではなく、コンボのためにデッキがある=自己満足の状態。理由は明らかで・・・


■ 《たなびき織りの天使》が重すぎる

 これに尽きるのですけどね。

 「キャスト時に何もしないエンチャント」である《炎影の妖術》も重いのですが、4マナですのでまだギリギリ運用できないこともありません。しかし、コンボ以外でまず使い物にならない《たなびき織りの天使》の実際スペックはほぼ「6マナ4/4飛行バニラ」。そのため「デッキのアクセントととしてさりげなくコンボを仕込む」ようなことができず、歪な構築になってしまいますね(-ω-;)



◆ PLAY


 あえてプレイされる奇特な方がおられるかわからないのですが、注意事項を。

 初めはブリンクの順番や対象に戸惑うかもしれませんが、簡単な覚え方があります。

・ブリンクの順番は、常に《天使》⇒《荷馬車》⇒《天使》⇒《荷馬車》…

・搭乗するのもブリンクするのも[渦]マークのある《天使》


 これを覚えておけばOKです。

 大切なのは常に召喚酔い=[渦]マークのある《たなびき織りの天使》本体を対象にすることで、間違ってトークンを対象に取るとループが止まってしまいますし、トークンを《耕作者の荷馬車》に搭乗させるとタップしてしまうので攻撃できなくなります。ブリンクの順番に関しても、「[渦]マークのある《天使》が戦場にいる時は《天使》、いない時は《荷馬車》」と覚えておいても宜しいでしょう(*-ω-)



◆ OTHER


 最後に、試行錯誤中に発見した別の無限ループをご紹介します。


■ 無限ライフ

・《たなびき織りの天使》×2

・《敬虔な福音者》×1


  なんと白単色だけでできるコンボ。

 《たなびき織りの天使》が戦場に出ている状態で2体目の《たなびき織りの天使》をキャストすれば、相互にブリンクさせ続けることができます。+《敬虔な福音者》が戦場に出ていると、「クリーチャーが戦場に出た時に1点のライフを得る」能力が無限に誘発しますので、続ける限りライフを得ることができます。


 また・・・


■ 無限ダメージ

・《たなびき織りの天使》×2

・《敬虔な福音者》×1

・《岸壁安息所の吸血鬼》×1


 こちらは白黒2色の瞬殺コンボ。

 無限ライフに加えて《岸壁安息所の吸血鬼》も戦場に出ていれば、「ライフを得るたびに対戦相手は1点のライフを失う」能力が誘発し続けますので、そのまま相手を倒すことができます。


 4枚もカードを使うのは難しい?

 でしたら…《末永く》で一気にリアニメートしてしまう、などは如何ですか(*・ω.)?


 今回は以上になります。

 ジョニーな皆様にGood Lifeを。

 ご覧頂きありがとうございました(*_ _)


百人組手の人

 

  

Magic Duels 百人組手

マジックデュエルズ実践ブログ

2コメント

  • 1000 / 1000

  • 道場主

    2017.04.25 15:00

    あのコメント、シミさんだったのですね! 仰る通り、《たなびき織りの天使》はマナコスト6が特に厳しかった印象です。 頑張ってはみたのですが、どうしても浮いてしまいました(-ω-;) 「アモンケット」、もうすぐですね! まだざっくりとしかリストを見ていないのですが、色々面白そうなカードが追加されるようで楽しみです。 またジョニーなコンボなど見つけられましたら教えて下さい(*-ω-)
  • シミ

    2017.04.25 09:34

    自分のレス(多分)が引用されてた時は流石に草が生えました それはそれとしてこのループはどうやっても実用性が低いんですよね・・・ 当初はバグで荷馬車が召喚酔いしてたので代わりに具象化の上陸でクリーチャー化した土地を用いてみたりしましたが 結局のところたなびき織りのカードパワーが足りないという結論に・・・ 炎影の妖術の方は選定された行進が来るのもあって期待してます 以前ナヒリが速攻付きで呼んで妖術でコピーしたウラモグsでダブパン20点ダメージ40枚LO拳とか一瞬考えて「伝説じゃねーか!」って突っこんで解体したんですが 3体ならまぁパワー7トランプルがそれなりにいるから行けるかな? 行進下でトークン生成CIP持ちのクリーチャーをコピーするのも楽しそうですね・・・