5/13に開催されました、【第弐回百人組手杯】のレポートになります。
ビデオマッチの予選4回戦&準決勝・決勝をお送り致します。
◆ Sai『白青フラッシュ』 vs jester『白青フラッシュ』
初戦のフィーチャーはSai vs jester。
フィーチャーの理由は、誰も手を上げる者がいなかったから「この2人を良く知っていたから」で、まずは簡単に人物からご紹介しよう。
● Sai
フライデーの常連であるSaiは、ゲーム中も盛んにチャットを交わしながら朗らかにプレイしている印象で、「「もう負けたかぁ」と言いながらトップから《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》をプレイしてくる」ところなど、若い頃のPatrick Chapinを彷彿とさせるナイスガイである。
今回持ち込んだのは『白青フラッシュ"スピリット"』。
実は、これはSaiと私が(時には朝まで)意見交換を繰り返しながら調整してきたデッキで、最後の数枚以外は全く同じリストのデッキを私自身も愛用している。
● jester
対照的に、jesterはゲーム中ほとんどチャットはせずどっしりと懐広く構えており、MTGで例えるならばRich Hoaenのような貫禄を感じさせるプレイヤーである。
今回持ち込んだのは『白青フラッシュ《悲劇的な傲慢》』。
『マルドゥ機体』相手の相性差(Saiと私のプレイテストでは8回やって2勝6敗)を覆すために《悲劇的な傲慢》にフィーチャーしたタイプで、大会前週のフライデー後も私と深夜までスパーリングを行い、今大会のために200戦以上を消化してきたという珠玉のデッキである。
・・・もうお気づきだろう。
両者のデッキはともに『白青フラッシュ』。
つまり、神の悪戯「フラッシュ同型戦」である。
おそらくお互いやりたくなかった&調整相手を務めた私の心情としても初戦から複雑なマッチだが、当たってしまったものは仕方ない。jesterのデッキが『マルドゥ機体』対策を割いている分、構成的には若干純正フラッシュのSaiに分があると言えようが、しかしそれは微差に過ぎない。ほとんど互角=難しいゲームになるということである。
● GAME1
(トラブルで動画は途中からになります)
ともに《平地》《島》を並べていくスタート。
jesterが《密輸人の回転翼機》《無私の霊魂》と並べていくが、Saiも《反射魔道士》《鎖慣らし》で対抗。この時点でどうにも同型対決の匂いが漂ってくるところだが、両者の心境やいかに。
まずは先制とばかりに《密輸人の回転翼機》を攻撃に差し向けようとするjesterだが、Saiはスピリットフラッシュの優良スぺル、《本質の変転》からの《反射魔道士》でこれをバウンスし攻勢を許さない。
ならばと《遵法長、バラル》を追加するjester。あまり見かけないクリーチャーではあるが、アグロのテンポについていくための採用だろうか。
危険を感じたか、これを《呪文萎れ》するSaiだがさらに続けられた《栄光半ばの修練者》が通ってしまう。[白青]にとっては除去が難しく、実質4/4絆魂というライフレースに大きく優位をもたらすクリーチャーがjester側に着地する。
が、返しのターンSaiは《永遠の見守り》をキャスト!
クリーチャーの質がほぼ同じという同型戦において、サイズUP&警戒を付与するエンチャントの存在は非常に大きい。
耐える時間と判断したjesterは《試練に臨むギデオン》を展開、《鎖慣らし》のアタックを無効化しようとするも、これには《鎖慣らし》の2枚目(呪禁付与)で応えるSai。返しのアタックを全て本体に叩き込み一挙9点、jesterのライフを残り5点にまで減らす。
しかし、ここでjeseterは《密輸人の回転翼機》でSaiのライフを9点まで削ったあとに隠し持っていた切札《悲劇的な傲慢》!、Saiの戦線を崩壊させる。
・ jester:《栄光半ばの修練者》《密輸人の回転翼機》《試練に臨むギデオン》
・ Sai:《反射魔道士》
という圧倒的な盤面、ほとんど勝っているようにも見られる戦況だ。
但し、「何もなければ」であるが。
Sai:「ターンエンドに《老いたる深海鬼》!!」
jesterのパーマネントを全てタップさせ着地する、5/6のタコ。
残りライフは・・・5点。
Sai 1-0 jester
必殺技の応酬を紙一重でSaiが制した恰好のGAME1だが、インスタントでの攻防が多い『白青フラッシュ』同型戦は常に相手が何を持っているか考える必要があり、同時にタイトなダメージレースを制するべくライフ管理にも気を遣わなければならない。「同型戦は難しい」と言われる所以である。
● GAME2
先手はSai。
jesterの《密輸人の回転翼機》に合わせ瞬速から《鎖慣らし》 ⇒ 《遵法長、バラル》を《本質の散乱》でカウンター ⇒ 返しにGAME1で鍵となった《永遠の見守り》をキャスト、と流れるような展開から軽快にクロックを刻んでいく。
jesterも2枚目の《遵法長、バラル》《不屈の河川司令官》の連打から《密輸人の回転翼機》をアクティブにし、簡単には天秤を傾けさせない。
《ネベルガストの伝令》《鎖慣らし》2枚目と展開するSaiに対し、jesterも《鎖慣らし》で応戦。『白青フラッシュ』同型らしい細かい飛行クロックの攻防が続いていく。
が、ここでjesterがもう1枚の切札である《黄昏》をキャスト!
パワー3以上のクリーチャーを全て破壊するこのスペルは、通常『白青フラッシュ』には刺さりにくいカードではあるのだが、現在Saiの戦場には《永遠の見守り》があり=Saiのクリーチャーは軒並みパワー3。逆手に取られた格好のSaiだが、何とかこれを《呪文萎れ》で打ち消し事なきを得る。
応酬の中両者の場に並んでいく土地土地土地・・・本来互角であるはずのこの状況を決定付けたのは、序盤にjesterがキャストした1枚のカードだった。
《不屈の河川司令官》。
土地が豊潤に並んだ今、任意のクリーチャーをタップできる能力を持つこのクリーチャーにより、Saiの攻撃はほとんど通らなくなってしまったのだ。さらに追加された《試練に臨むギデオン》により半ロック状態に陥ったことを確認し、Sai投了。
Sai 1-1 jester
● GAME3
先手はまたしてもSai。
2ターン目に《密輸人の回転翼機》を展開し、3ターン目にjesterの《不屈の河川司令官》を《反射魔道士》でバウンスしてアタックと最高のスタートを見せる。
jesterも《反射魔道士》で《反射魔道士》をバウンスするが、後手を踏んでいる感は否めず、Saiは《無私の霊魂》をキャストして《密輸人の回転翼機》でアタック、攻勢を維持する。
《遵法長、バラル》《不屈の河川司令官》と追加するjester。しかし依然飛行クロックが止まっておらず、Saiは《栄光半ばの修練者》を追加して《密輸人の回転翼機》と《無私の霊魂》でアタック ⇒ jesterのライフを残り9点まで落とす。
さらにjesterのターンエンドに《呪文捕らえ》を素出しで追加し攻め立てるSai。3体でのアタックには《神聖な協力》を受け1体を失うも、続けてキャストされた《鎖慣らし》を少考の末カウンター。ここが勝負所と見たか、5点のダメージを通してjesterの残りライフは4点。
ここまで《密輸人の回転翼機》が毎ターン3点クロック&ルーターし続けており、改めてその強さを見せつけられる恰好となっている。
飛行クロックを止める術を引き込みたいjester。
ここで《試練に臨むギデオン》トップし、対象はもちろん《密輸人の回転翼機》。何とかこの小憎らしいコプターを封じ込めることに成功する。
Saiはもう1体の飛行クリーチャー《無私の霊魂》でアタック、地上から呆然と見上げる3体のクリーチャーの上から2点ダメージを与え、jesterのライフは残り2点。
次のターン、もう1度《試練に臨むギデオン》で《密輸人の回転翼機》を封じ込めるjester。地上はガッチリ固めているため、現状Saiに残るクロックは《無私の霊魂》のみ。あと1枚、あと1枚対処すれば・・・。
しかし、そんな希望を打ち砕いたのは、またしてもタコだった。
ターンエンドに無効化された《密輸人の回転翼機》を現出 ⇒ 《老いたる深海鬼》!
これにより全てのブロッカーをタップさせられてしまったjester。
無念の投了。
Sai 2-1 jester
Sai Win
対戦後、敗れたjesterが非常に悔しがっていたのが印象的だった。
大会の醍醐味は数あれど、欠かせない要素の1つが「真剣(ガチ)」である。熱意を持って参加して頂けるプレイヤーの存在は、それだけで主催冥利に尽きる。
百人組手の人
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