我がマジック道②

(サブタイトル:【新たな「マジック観」と「構築論」】)


 さて、後編だ。

 

 前編ではカードの嗜好と「マジック観」についてお話したので、後編ではもう少し枠を広げ、デッキ及び「構築論」について話していきたい。



◆ 不快指数の高いデッキ


 のっけから過激なタイトルであるが、私がプレイしたくない、あるいは苦手な「プレイしていても幸福感の低い」デッキである。


●『ターボフォグ』

 《スフィンクスの後見》でライブラリーアウトさせるデッキ。

 対戦相手との駆け引きの大部分は「攻撃を《濃霧》する」だけになるため、対人である必要性が低く、「毎ターンライブラリーを削られる」というあまり気持ちの良くないアクションも不快指数の高さに一役買っている。



●『PWS』

 少量の除去と大量のPWで構成されたデッキ。

 アクションのほとんどが手札の強いカードを上から順番に叩きつけるだけになるため、プレイヤーの思考が入る余地が少なく、ダメ押し的なゲーム展開が多いことも良くない。


 これらのデッキは私以外にも苦手な方は多いだろう。

 共通する短所は、マジックの醍醐味であるはずの「クリ―チャーとスペルの応酬」を否定し、一方通行なゲームを要求してしまうことだ。勝っても負けても面白さを感じないので、私はプレイしたくない。



●『フルパーミッション』

 大量のカウンターが搭載されたデッキ。

 意外に思われるかもしれないが、コントロールコラムについては「コントロールが弱かった」ところに面白さがあったわけで、対戦相手の除去呪文を一方的に腐らせながら、片方のプレイヤーだけが「何もせずターンエンド」を続けるのはマジックとして健全であるとは言えない。


 大体ゲームの決着が見えたところから、僅か数枚の勝ち手段を引けるまで対戦相手を延々ゲームに付き合わせてしまうところも問題で、何より「面白い系ミッドレンジ」を悉くころしてしまうのが大変宜しくない。少なくとも、私はフレンド対戦ではプレイしない。



●『高速アグロ』

 迅速に20点のダメージを与えて勝つデッキ。

 誤解のないよう先に申し上げておくが、不快指数が高いというわけではなく、むしろマジックの面白さを最も体現しているアーキタイプであり、私自身プレイすることもある。ではなぜ同列に並べているのかというと・・・


 「プレイするのが下手だから」に他ならない。

 

 総じて、コントロールプレイヤーという輩はコンバット(延いてはダメージ計算)が上手くないものだ。「コントローラーだからコンバットが上手くないのか」「コンバットが上手くないからコントローラーなのか」…どちらなのかは定かではないが、「盤面を掌握し、有利を確信した後に攻撃を仕掛ける」というプレイスタイルでは、そもそも戦闘経験自体が欠如しがちである。


 ゆえに、『高速アグロ』の真骨頂たるタイトなダメージレースでは大体ミスって負けることになってしまうのだ。普段から高見の見物を決め込んでいるのだから、殴り合いになると弱いのは当たり前、「君子危うきに近寄らず」⇒「実は喧嘩が弱いだけ」とはよく言ったものである。


 ただ、これについては性格的な問題もあるかもしれない。

 

 私は、別に勝たなくていいのだ。


 一気に勝ってしまうよりも、負けないプレイをして対戦相手との楽しい対戦(会話)を続けたい。「速すぎても遅すぎてもダメ」で「相手と対話することを好む」…諸々を踏まえれば、私のマジック適性は「コントロールよりのミッドレンジ」ということになるのだろう。



◆ 盤面を重視する(ボード、ボード、ボード)


 ここからは、より具体的に「プロツアー京都」「日本選手権」から得た「構築論」(自身の考えを改めた部分)についてである。


 冒頭、巧いプレイヤーほど盤面を疎かにしない。

 例えば、『ティムールエネルギー』同型戦で3ターン目に《ならず者の精製屋》を鏡打ちし、4ターン目に相手がアタックを仕掛けてきた。お互い損をしない取引なのだから、手拍子でブロックしても良さそうな場面だ。


  だが、ここで相討ちしてしまうと、相手は盤面に何の制約もないまま最大4マナを自由に使うことができるようになってしまう。


 最悪は、《反逆の先導者、チャンドラ》だろう。

 更地にPWを着地されてしまえば、ここから挽回してゲームに勝つのは難しい。しかし、《ならず者の精製屋》を残しおけば《チャンドラ》をプレイされても忠誠力カウンタ―を減らすことができるため、明確なゲームエンドとなる奥義までの時間を稼ぐことができるし、もしかしたらプレイ自体を思い留まるかもしれない。


 このように、「ブロックせずにクリ―チャーを残す」という選択肢を取ることにより、相手の次のアクションに制約をかけることができるのだ。


 そもそも、PWにスペルで対処するのは強いアクションではない。

 相手のエースをジョーカーで討ち取った幸せを噛みしめるかもしれないが、その正体は幸福感ではなく安堵感だ。カードカウントとしては1対1に過ぎず、戦場に出た瞬間に1度は能力を使えるというPWの特性上、むしろ損をしている。


 それを踏まえれば、4マナのPWが出てくる前、2ターン目と3ターン目はできるだけクリ―チャーかボードにプレッシャーをかけられるカードををキャストするのが望ましい。クリ―チャーの存在はそれだけでPWへの牽制となり、相手がこちらのクリ―チャーに除去を打ってくれれば相手の展開を遅らせることができるからだ。


 関連して、全体除去もあまり使いたくないカードである。

 概ねフルタップに近い状態で打つことになるため、次にマナを自由に使えるのは相手のほうが先になる。緊急避難的に働くことはあっても、ボードとテンポの観点では何も得していないことが多い。


 そもそも、PW除去や全体除去は相手によって価値が変動するカードだ。

 これらリアクションカードは、相手が対処すべきカードをプレイしてこなければ著しく価値が下がってしまう。そういったカードを投入してデッキを歪めるよりは、ある程度までは見切ってしまい、いついかなる時でも一定の活躍をしてくれるカードを投入して、自分のやりたいことを目指したほうが良く、何よりそのほうが楽しい。


・ 何にでも対処できないと気がすまない

・ スペルに頼り過ぎてボードを疎かにしてしまう


 このあたりは、私がコントロールを使い続けることによって生じていた弊害である。

 とはいえ、中には多少デッキを歪めてでも対策しなければならないレベルのカードが存在する。


 それが「機体」だ。

 「2ターン目に出てくるフィニッシャー」《密輸人の回転翼機》に加え、《キランの真意号》《霊気圏の収集艇》といった強力なカードもあり、それらに対処できなければいとも簡単に負けてしまうのだが、クリ―チャー化するタイミングを自由に選ぶことができ、同マナ圏では破格のサイズを持つ機体をボードで受けることは現実的とは言えない。


 つまり、ある程度の対処手段は必要不可欠で、できれば《再利用の賢者》などの能動的な対処手段であれば尚良い。



 以上、ここまでをまとめるとこのようになる。


● 構築指針

・ 幸福感の高いカード・デッキを使う(幸福感>不快指数)

・ 不快指数の高いデッキは使わない

・ できればコントロールよりのミッドレンジを使いたい

・ ボードを重視する

・ 2、3ターン目はボードにプレッシャーをかけるカードをプレイしたい

・ PWにはクリ―チャーで対処する

・ PW除去と全体除去は使いたくない

・ ある程度は見切り、やりたいことを追求する

・ 但し、機体(主に《密輸人の回転翼機》)対策は必須



 次回から、実際に構築したデッキをご紹介していきたいと思う。

 ご覧頂きありがとう。


 φ(-_@) 百人組手の人

Magic Duels 百人組手

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