第12回:白青緑アグロ③(考察)

 それでは、はじめていきましょう。

 (※)結果につきましてはこちら



- 考察 -

 勝因分析です。


◆(1)「カードが強い」


 総括でも述べましたが、単純にカードが粒揃いです。

 このデッキの核を成しているのは・・・


①:「クリーチャービート」

②:「PW」

③:《変位エルドラージ》《大天使アヴァシン》

④:「ハンドアドバンテージ」


 の4つです。

 まずは「クリーチャービート」を仕掛け、それに対処したとしても「PW」や《変位エルドラージ》《大天使アヴァシン》が攻勢をかけ、さらにはそれらを補充する「アドバンテージ獲得源」がありますので、相手にとっては脅威でしょう。


 あえて特筆するのであれば、《反射魔導士》と《跳ねる混成体》でしょうか。

 「2T《トーパの自由刃》⇒3T《反射魔導士》or《跳ねる混成体》」はビートプランでのベストムーブですし、これらのカードは「半歩のアドバンテージ」もたらしてくれます。半歩が積み重なれば2歩にも3歩にもなるわけで、「テンポで遅れを取った相手が後手後手で除去を打ってくる⇒除去が尽きたところで《変位エルドラージ》」というパターンは良く見受けられました。



● プレイ指針


 主様からのご質問がありましたので、プレイ指針についても参考までに記載したいと思います。(※)あくまで私の指針です


■ 対アグロ

 通算23勝03敗(体感8:2)。

 手なりで大丈夫でしょう。こちらのほうがクリーチャーサイズが一回り大きく、《反射魔導士》や《跳ねる混成体》といった攪乱手段、《変位エルドラージ》ロックもありますので有利です。



■ 対PWS

 通算07勝06敗(体感4.5:5.5)。

 【PWS】自体がクリーチャーデッキを仮想敵とした構造を取っているため、不利な相手です。複数枚の全体除去が投入されており、「全体除去⇒更地にPW」というのがあちらの勝ち筋になりますので、それをさせないことが重要になります。

 ポイントは2点。


①:クリーチャーを出し過ぎない

②:手札にアドバンテージクリーチャーを1枚抱える


 でしょうか。

 ①つ目は、急いでクリーチャーをダンプしても全体除去の餌食になるだけなので、粘り強い攻めを意識しましょう。但し、盤面が止まった状態でPWを出されると厄介なので、返しの攻撃で倒せるよう「最低1体は攻撃を通せる」状態を維持することを心掛けて下さい。

 特に頼りになるのが《跳ねる混成体》《大天使アヴァシン》といった瞬速クリーチャーと除去の影響を受けない《伐採地の滝》で、相手の《ニクシリス》や《ソリン》が-能力を使ったところを討ち取っていければ有利になれるでしょう。


 ②つ目は、全体除去からのリカバリーですね。

 《森の代言者》や《不屈の追跡者》(墓地にこれらのクリーチャーが落ちていればムラーサの胎動》でも可)を1枚抱えておけば、全体除去を受けても即再展開することができます。理想は盤面に1枚・手札に1枚あることで、現在進行でアドバンテージを稼ぎつつ保険もかけているという展開が勝ちパターンですね。

 

 総じて、「ビートで勝つのではなく物量で勝つ」ことを心掛けましょう。 



■ 対ランプ

 通算勝率11勝04敗(体感6:4)。

 やや有利といった印象ですが予断は許しません。重要なのは「序盤からのビート」で、これが弱いと相手に余裕を持たせてしまいますので、最低限の全体除去だけケアしながらガンガン攻めていきましょう。相手の土地が揃った頃には全体除去以外の解決方法がない、ぐらいに追い込んでいるのが理想的な展開です。



■ 対コントロール

 通算17勝02敗(体感8:2)。

 主様は苦手とのことでしたが、優秀なクリーチャーとPWに加えアドバンテージ源もありますので有利だと思います。物凄く単純に言ってしまえば「PWが減った【PWS】」、ですのでプレイングは基本的には対【PWS】と同じです。こちらのPWを通してしまえばほぼ勝ち、アドバンテージエンジンが回りだしても大体勝ちです。



● 《森のレインジャー》の賛否

(*-ω-):「結構頑張ってくれましたよ?」

(-ω-●):「他がね…」


 今回は彼女1枚に枠を割きましょう。

 肯定的な意見・懐疑的な意見…双方あったようですが、結論から申し上げれば今回のデッキでは「及第点」でした。理由としてはいくつかあるのですが、


①:《森のレインジャー》以外のカードが補って余りあるほど強い

②:《森のレインジャー》をフォローできるカードがある


 などが挙げられるでしょうか。

 「事故さえなければ勝てる」ぐらいの強さがありましたので、《森のレインジャー》分のカードパワーは十分ペイできており、マナベースを整えつつ強力な3マナ以降に繋げるというアクションが肯定されていました。また、《往時の主教》や《不屈の追跡者》といったカードにより後半に引いてしまっても一応は他のカードに変換できるシステムがあったの良かったですね。


 しかしながら・・・


 合格点かと言えば決してそうとは言えません。

 《森のレインジャー》を複数枚引かれた対戦は厳しく、特にそれが【PWS】や【ランプ】戦ならば致命傷になりかねません。実際2割程度は「《森のレインジャー》を多く引かされたこと」が直接の敗因になっており、「2枚引かれたら苦しく、3枚引かされたら大体負け」という印象でした。


 ですので、百人組手での結論としては・・・

「投入するとしても、最後のマナベース調整として1枚まででしょうか。 

 とはいえ彼女も「異界月」からはお役御免、最後に花道を飾れて良かったですね(。-∀-)



- 調整(案)-

 最後に調整案です。

 といっても勝率8割のデッキですので、原型はそのままにあとは好みに合わせて微調整といったところだと思いますし、新しいカードも追加されますので1枚だけ取り上げます。


・《フェリダーの仔》

 エンチャント対策の保険として1枚投入されていたカードで、実戦中も何度か活躍はしていたのですが私は懐疑的です。というのも1枚挿しの《フェリダーの仔》が働くのは、「①相手のデッキに厄介なエンチャントが入っていて、②そのカードをプレイされ、③1枚挿しの《フェリダーの仔》を引けている場合」ですので、結構低い確率だと思いませんか(*・ω.)?


 1枚挿しするのであれば、劇的な効果を発揮するカード(例:《水の帳の分離》)やいつ引いても困らない潤滑油的なカード(例:時間の把握)がふさわしく、1枚スロットにそれでしか受けられない対策カードを投入するのであれば、もう割り切ってしまっても宜しいのではないでしょうか。



 Reportは以上になります。

 新環境から《森のレインジャー》がいなくなりますが、彼女の力に頼らなくても良いマナベースを構築できることが理想ではあるので、また調整してみて下さい(*-ω-)

 

φ(-_☆) :「1番大切なのはマナベース」


 これにて「イニストラードを覆う影」全12回を終了、ご覧頂きありがとうございました。「異界月」に期待を込めまして、おあとがよろしいようで(*_ _)


百人組手の人

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