それでは考察を始めていきましょう。
今回はまず「敗因分析」を行いまして、次に依頼内容である「《非実体化》の投入」「土地の枚数」をお話しし、最後に+@について少しふれたいと思います。
では早速・・・
◆ 「敗因分析」
今回のデッキはリストを拝見する限りでは完成度が高く、また普段相手をしている印象からも好成績を期待していたのですが、蓋を開けて見れば勝率63%と可も不可もない成績でした。
もちろん完走は果たしておりますので「悪い」ということはないのですが、実戦前の期待度の高さを考えれば敗戦にも等しく、「ではなぜ勝てなかったのか?」と考えていきますと大きく分けて敗因は2つ、ということになるでしょう。
● ①「安定性」
3枚の《スフィンクスの後見》と計8枚の《濃霧》《祝祭の開幕》。
稀に《熱病の幻視》のダメージで勝つゲームもあるのですが、戦略の軸が「ダメージ軽減スペルを連打して、その間に《スフィンクスの後見》でLOする」である以上、結局はこの11枚を引けるかどうかに依存することになります。
結果の項でも申し上げましたが、「30枚捲っても《スフィンクスの後見》を引けない」確率が12%ほどありますので、その対戦に全て負けると仮定致しますと勝率88%からのスタートになり、
・《スフィンクスの後見》に対処される
・《濃霧》を引けない or 途中で切れる or カウンターされる
そこからこれらを引いていきますと、勝率が60~70%の間に収まるのも納得の結果、ということになってしまいますよね。豊富なドロースペルの登場&投入でその問題は大幅に改善されたかに思えたのですが、構造的な問題は根強く残っていたということでしょう。
● ②「メタゲーム」
《再利用の賢者》《断片化》《集団的努力》《真面目な捧げ物》《人工物への興味》…実戦中に打たれたカードですが、Tier1の『機体アグロ」加え『LO』もメタゲームの一角として認知されておりますので(しかもヘイトが高い)、しっかりと置物対策カードを取っている相手が多くメタゲーム的には向かい風でした。
これらに加え、《先駆ける者、ナヒリ》や《絶え間ない飢餓、ウラモグ》など、「3ターン目の《スフィンクスの後見》を60回実現しながらも40回しか勝てなかった」のはエンチャント除去カードの嵐に巻き込まれたからに他なりません。
また、単純な相性としての立ち位置も良いとは言えません。
・アグロ : 不利
・ミッドレンジ : 有利
・コントロール : 不利
三大アーキタイプ相手の相性はこのようになるのですが、このうち圧倒的優位を誇るミッドレンジは全体の40%ほど、合計致しますと全体の60%を占めるアグロとコントロールには相性が悪いということになりますので、それを踏まえますとトータルとしてはやはり6割強ぐらいがいいところ、になってしまいますよね(-ω-;)
続きまして依頼内容について。
◆ 「《非実体化》の投入」
「《分散》と散らすべきかどうか」ということでしたが、結論から申し上げれば必要ありません。=《分散》4枚で大正解ということになります。
・《スフィンクスの後見》を戻して守る
・《ジェイスの誓い》を戻して再ドローする
・ 相手の《スフィンクスの後見》を戻してドロー誘発をすかす
・ 2ターン目のクリーチャーを戻して時間を稼ぐ
・ 《悪夢の声、ブリセラ》(の片方)を戻して合体を防ぐ
・ PWを戻して奥義を防ぐ
以上、全て実戦で実際に行ったプレイです。
中には《非実体化》では行えないアクションもありますし、何より最も重要な「《スフィンクスの後見》を守る」ことは《分散》でないとできませんので、従来通り《分散》4枚で宜しいでしょう。
◆ 「土地の枚数」
デッキに投入されていた土地は26枚です。
豊富なドロー&ディスカードの要求がありますので土地が多くて困るということはないのですが、便宜上百人組手では『LO』をコントロールに分類しているとはいえその実態はコンボデッキのようなもので、最低3マナあれば回るデッキでもありますのでもう少し土地を削れる余地はあります。
体感としては2~3枚でしょうか。
但し、その場合は3ターン目に3マナが揃う確率を下げ過ぎないよう、《エルフの幻想家》や《錬金術師の薬瓶》といったキャントリップカードを用いたいですね。特に《錬金術師の薬瓶》は9枚目の《濃霧》として働くこともありますのでオススメです。
本編は以上になりますが、最後にいくつか+@を。
◆ 「未来へ」
改善案ですね。
まず、このデッキを現状のオールイン型のままカスタマイズしていっても勝率80%は夢のまた夢、勝率70%も運が良ければ程度の出来にしかならないと思われます。ですので何か変化をつける必要があるのですが・・・
《光輝の炎》などを投入して除去コンのように振る舞うのが一案。
「全体除去があまり有効とは思えないので外した」とのコメントを頂いておりましたが、《濃霧》だけで受け切れるほどアグロの鋭鋒は甘くはなく、数字としてもかなりやられてしまいました。プレイしていても『ウィニーアグロ』相手に「ここで全体除去があれば」と思った場面もありましたので、候補にはなるかと存じます。
もう一案はLO以外の勝ち筋、すなわちダメージソースを投入するアプローチです。
すでに投入されている《熱病の幻視》や《集団的抵抗》と合わせてライフを削り切ることも不可能ではなく、サブプランとしては悪くはないでしょう。主戦略であるLOと協調できるカードが望ましく、汎用性に優れ無駄になることが少ない《霊魂波》、少々扱いが難しいカードではありますが《宿命の決着》、そして《炎呼び、チャンドラ》などが候補になるでしょうか。
特に、主様も迷っておられた《炎呼び、チャンドラ》はLO戦略に合致した2つの能力(ドローと全体除去)を持ちながら、ただ1枚で独立した勝ち筋にもなれるというとんでもないカードですので是非投入したい1枚ですね。
また、もしダメージソースを投入するのであれば、マナベースに《伐採地の滝》のスペースを見つけてあげると最後の数点を削り切る手助けになるかもしれません。
◆ 「マリガン基準」
最後に、プレイ指針と致しましてマリガン基準です。
キープ基準としては、
・ ①《スフィンクスの後見》か《熱病の幻視》+土地2枚
・ ②《安堵の再会》か《ジェイスの誓い》+ドローカード1枚
・ ③《安堵の再会》か《ジェイスの誓い》(1マリ後)
概ねこのようにプレイしていました。
マリガンまでは《スフィンクスの後見》か《熱病の幻視》を期待し、悪くてもドローソースが2枚以上含まれている手札を追求。マリガン後はやや妥協してドローソース1枚でもキープ、エンチャントもドローソースもない手札は共通でマリガンです。
もう1点注意点としては【《濃霧》を不用意に捨てない】ことです。
このデッキはディフェンスのほぼ全てを《濃霧》と《祝祭の開幕》に頼っており、不用意に捨ててしまうとアグロはもとよりコントロール相手でも受け切れなくなる恐れがあります(実際に8枚全てを打ちつくしあと1枚あれば…というゲームもありました)。
ですので手札を回転させる途中で《濃霧》が重なった場合でも、先のゲームプランを見据えて慎重に判断するように致しましょう。
今回は以上になります。
また、あと2つほど依頼が残っておりまして心残りではありますが、
本年の百人組手はこれにて終了とさせて頂きます。
皆様良いお年を。
それでは、ご覧頂きありがとうございました(*_ _)
百人組手の人
0コメント