さて、予定では【メタゲーム考察】だったのですが・・・
現行MDのメタゲームは多様性に富んでおり、分析してみたところで一概に括ることは無難しく、またそこまでの意味もないと思いましたので、「MTGメタゲームにおける主流デッキをMDに落とし込む」みたいなことをやりたいと思います。というわけで今回のテーマは・・・
“アグロの先鋒”『マルドゥ機体』(霊気紛争Ver)です。
◆ マルドゥ機体(MTG)
(MTG日本公式ウェブサイト様より)
先の「GP静岡」を制したデッキです。元になったのはご存知Owen Turtenwald氏のリストですが・・・具体的な解説は散々MTGの攻略記事で扱われていると思いますので、ここでは簡単に済ませましょう。
「1T《模範的な造り手》⇒2T《キランの真意号》or《屑鉄場のたかり屋》」から高速ビートし、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》《大天使アヴァシン》で抑え込みつつ、《無許可の分解》を合わせて押し込みを狙う、MDでも人気のデッキタイプですね。加えて、MTGでは『PWコントロール』への変形サイドボードも用意されています。
とまぁこんな感じなのですが・・・
MD仕様にアップロードするにはいくつか注意が必要です。
◆ 前提
● ①「ファストランドがない」
MDには《秘密の中庭》《感動的な眺望所》といった2色ファストランドがなく、加えて《産業の塔》も存在せず、色マナ供給はバトルランドやタップインデュアルランドに頼ることになります。これが何を意味するのかと申しますと・・・
「速度」の低下。
具体的には「1ターン目の《模範的な造り手》」。2ターン目以降のスムーズな展開を確保するために1ターン目をタップインで過ごすことも多くなり、「1ターン目からの高速展開」は諦めなければならないこともあるでしょう。
● ②「枚数制限」
MDの独自仕様。
特に「神話レアは1枚までしか投入できない」ため、《密輸人の回転翼機》で代用できる《キランの真意号》はともかく、主力である《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》《大天使アヴァシン》が削られることによる戦力低下は否めません。
以上が構築に関しての注意点になりますが・・・
φ(-_@) :「ここからはこれまで数多のデッキをMTG⇒MDにアップロードしてきた、“プロコピーデッカー”の私が担当しよう」
(-ω-●):「全然ありがたくなさそうな称号…」
φ(-_@) :「とりあえず、まずは注意点を踏まえた構築指針からだね」
◆ 指針
● 「土地は23枚+《耕作者の荷馬車》×2」
(。-∀-):「いきなりプロに逆らってんじゃん!?」
φ(-_@) :「本来「アグロはマナフラッドした瞬間に負ける」からね。コントロールと同じ量の土地を入れると長所が損なわれるし、基本的にフラッドするよりはコストを軽くしてスクリューしたほうがまだいい。そもそも本家で土地25枚が肯定される理由、ゴリラ《ギデオン》とメンヘラ《アヴァシン》がMDだと1枚しか使えないし」
φ(-_@) :「あと地味に《スレイベンの検査官》の不在も大きい。「マナフラッドケア」「アーティファクトカウント」「紛争トリガー」とまさにデッキのいぶし銀。いつ引いても無駄にならないし、個人的には「アグロ史上最高の1マナクリーチャー」。こういったカードもないから、できれば土地は23枚程度まで減らしたい」
● 「『PWコントロール』プランは奨めない」
φ(-_@) :「『マルドゥPWコン』はあくまでカウンターサイドボードであって、単純なデッキパワーなら『マルドゥ機体』のほうが高い。というより『マルドゥPWコン』だと「『青系コントロール』に勝てない」。当たり前の話だけど、両方PWを軸に据えたデッキで相手にだけカウンターがあるからね、相性最悪」
(-ω-●):「経験者は語る…」
◆ 構築
φ(-_@) :「コピーアップロードする際に意識していることは「デッキの強みを巧く落とし込むこと」、強いデッキには必ず「必勝の型」があるものだしね。『マルドゥ機体』の場合だと・・・」
● 1T《模範的な造り手》⇒2Tアーティファクト【速度】
● 《キランの真意号》【機体】
● 《ギデオン》【PW】
φ(-_@) :「大体こんな感じ」
φ(-_@) :「「速度」「機体」「PW」と3点から攻められるのがこのデッキの強み=「必勝の型」だから、その形をできるだけ維持する方向で考えてみたらこうなった」
◆ マルドゥ機体(MD)
φ(-_@) :「以下、カード選択についてふれていこうか」
● 速度(1マナクリーチャー)
φ(-_@) :「本家では4枚ずつ計8枚投入されている《スレイベンの検査官》《模範的な造り手》が2枚しか使えないから、まずここを何かで代用しないといけない」
・《発明者の見習い》不採用
(。-∀-):「1マナ2/3だぞ!」
φ(-_@) :「残念ながら「色拘束の問題」でNG。《模範的な造り手》も《発明者の見習い》も1ターン目に出してこそなのだけど、前述のファストランドがない環境で白赤両方を1ターン目に安定して出せるマナベースを構築できなかった」
・《アクロスの英雄、キテオン》×1
・《ボーマットの急使》×2
(*-ω-):「あ~、それで《キテオン》君なんですね!」
φ(-_@) :「うむ、そうなると打点が下がることに目を瞑ってこの2枚。《キテオン》は間違って裏返ればさすがに大体勝てるし、《ボーマットの急使》はギリギリ及第点としておこう…」
● 機体
・《密輸人の回転翼機》×2
・《耕作者の荷馬車》×1
φ(-_@) :「機体は「全体除去対策」や「PWへの牽制」として一定数欲しいところ。1枚しか使えない《キランの真意号》の代役として、《コプター》は説明不要だね、《耕作者の荷馬車》は土地圧縮目的」
● PW(ボム)
・《反逆の先導者、チャンドラ》
・《先駆ける者、ナヒリ》
φ(-_@) :「《ギデオン》の代役」
φ(-_@) :「《チャンドラ》はともかく本来アグロには《ナヒリ》は合わないけど、ミッドレンジ以降のデッキがもれなく全体除去を標準装備しているようなMD環境だと、PWが少ないと全体除去1発で負けかねない。ただでさえ強いPWの中でも特に優れた能力を持っている御方だし、奥義で後述の《ナラー夫妻》を連れてくるアクションはお見事」
●《ピア・ナラーとキラン・ナラー》×2
φ(-_@) :「《アヴァシン》の代役その①」
φ(-_@) :「シナジーもさることながら何も考えずに出すだけでも強い、MTGではイリーガルだけどMDでは全然現役の入れ得ボム。MDで『マルドゥ機体』を組むなら必投じゃないかな」
・《無私の霊魂》×2
φ(-_@) :「ボムではないけど《アヴァシン》の代役その②」
φ(-_@) :「貴重な全体除去耐性をもたらしてくれるし、組手を通しても「《無私の霊魂》⇒《密輸人の回転翼機》」「《無私の霊魂》⇒《異端聖戦士、サリア》みたいな動きはゲロ強かった。苦手な《最後の望み、リリアナ》お嬢様がMDだとお1人しかいないのも追い風だね」
● (除去)
φ(-_@) :「一応ふれておこうか。3枚しかない《無許可の分解》の4枚目」
・《ショック》不採用
φ(-_@) :「MTGだと『コピーキャット』対策で人気があるカードだけど、《コプター》も《巻きつき蛇》も倒せないし、メタゲームとして2点と3点の差は見た目以上に大きいように感じたので見送り」
・《飲み込む炎》×1
φ(-_@) :「というわけでこちらを」
φ(-_@) :「《無許可の分解》のほぼ下位互換だけど悪くはない(はず)」
◆ NEXT
φ(-_@) :「とまぁ、頑張って再現してみたわけだけど」
φ(-_@) :「マナベースは白16・黒9・赤14。《耕作者の荷馬車》込みで(確率上は)ギリギリ《無許可の分解》も《ナラー夫妻》もサポートできているけど、1ターン目アンタップインの白マナ10は足りていない。MDのマナベースだとこれぐらいが限界なのだよねぇ、つまり・・・」
● 「3色の必要性?」
φ(-_@) :「本家で白を選択する理由になっているのが、《スレイベンの検査官》《模範的な造り手》《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》《大天使アヴァシン》の計15枚なのだけど、MDだと「そのうち4枚しか使えない」わけだから、白を選択する理由は薄いのかもしれないね」
φ(-_@) :「黒を使う理由になっている《致命的な一押し》《無許可の分解》は黒赤だけで運用できるし、白赤でも《蓄霊稲妻》《飲み込むの炎》で代用できないこともない。2色にまとめたほうが余計なタップインや色マナに悩まされることがなくなって綺麗にビートダウンできるのかもね」
・・・
φ(-_@) :「本編は以上だけど、最後に注意事項として・・・《模範的な造り手》の「アーティファクトが3つ以上ある場合の先制攻撃」を忘れないようにね」
(*-ω-):「これテキストがちょっと意地悪な書き方なんですよね~」
(。-∀-):「「GP静岡」の中継でもミスってる人結構いたよね!?」
φ(-_@) :「まぁ、ミスというより「試行回数の問題」だと思うけどね。普通は「アーティファクト3つ」なんてケースはまず起こらないけど、対『マルドゥ機体』を100戦ぐらいやると1回ぐらいは先制攻撃を持って攻撃してくるから」
(。-∀-):「で、ミスってブロックして覚えると!」
φ(-_@) :「良くわかってるじゃないか」
今回は以上になります。
ご覧頂きありがとうございました(*_ _)
百人組手の人
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