コラム:コントロールの復権?

 さて、前回はアグロデッキ『マルドゥ機体』をMD仕様にしてみました。

 

 となれば、次は永遠のテーマであるコントロールデッキを取り扱いたいところなのですが・・・実は、現在私自身がプレイしていて1番体感勝率の高いデッキが『カウンターコントロール』であり、ここまで勝利を実感できるシナリオは初めてのこと、またコントロール同型戦に遭遇することも多く、組手を通して10%に過ぎなかった使用率も上がってきているように思うのです。


 これはもしかして・・・


コントロールの時代 来たる!?


 というわけで、今回は【コントロール復権の理由】を探っていきたいと思います。



◆ 冬の時代


 まずは恒例?の昔話から。

 MTG界において嫌悪され、あるいは崇拝されてきた『カウンターコントロール』デッキ。しかし、かつてここMDでのコントロールは不遇を極めていました。何せカウンターの中央には《撤回命令》が堂々と鎮座しており、ドローとして苦虫を噛み潰しながら《霊感》を投入しているような有様、所謂「デッキとしてカードが足りない」状態だったわけでございます。


 さらにメタゲームとしても逆境でした。

 時は『赤単ゴブリン』と『緑系ランプ』の全盛期、1ターン目に《ゴブリンの栄光追い》が走って来ないことを祈りながら、絶対的なはずの終盤にも《ガイアの復讐者》の影に怯える毎日(対処法?そんなものありませんよ!)。当時のコントロールはジャンキーかマゾヒストしか使わないような、ファンデッキに過ぎなかったのです。


 しかしながら、時代とは移り変わるもの。

 もはや冬の時代は過ぎ去り、あるいは絶対零度に染め上げて、ついにメタゲームの中心に躍り出るまでになったコントロール躍進の原動力について、語っていきましょう。



◆ 内部的要因


● 「カウンターの向上」

 生命線たるカウンター。

 特に大きかったのは「3マナカウンターの充実」です。「ゼンディカー」次元で《風への散乱》という待望の3マナ確定カウンターを獲得、次の「イニストラード」次元で《集中破り》を得たことにより『カウンターコントロール』としての雛型が誕生、それら以外にも《手酷い失敗》《疑惑の裏付け》などの実用的なカードに恵まれ、現在では質・量ともに十分な数のカウンターを有しております。



● 「ドローの向上」

 ドローについては・・・このカードにつきますね(。-∀-)b

 初期の頃から組手考察でずっと書き続けてきた「あとはまともなドローさえあれば」。「1対1交換を続けた結果、対処手段が尽きてしまう」という典型的な負けパターンを緩和・あるいは回避する《天才の片鱗》。「カラデシュ」次元で獲得したこのカードによって、『カウンターコントロール』というデッキタイプが明確に確立されました。



 しかし、コントロール隆盛の理由はそれだけではありません。

 環境、つまり時代もコントロールに味方していると言えるのです。



◆ 外部的要因


● 「PWが少ない」(≒《ギデオン》が少ない)

 強力な能力を持っているPW達。

 MTG以上に対処法の限られているMD界のコントロールにとっては「通る=概ね負ける」を意味するぐらいのカードですが、MDではレアリティ制限ゆえ遭遇頻度が下がっており、また1種1枚をカウンターしていまえばそれまで、後継に不安を抱えることもありません。“正義の皮をかぶった悪の総帥”《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》が4ターン目に出てくることを前提にしなければならないのはMTGだけの話なのです。



● 「強力な手札破壊がない」

 コントロールの苦手なモノ、と言えばハンデス。

 ブラフは意味をなさなくなる上に、最も重要なカードを抜かれるという厄介なスペルです。ところが、青の雪解けに比べ黒の暗黒の時代はまだまだ続くようで・・・《強迫》も《精神背信》もMDには存在しません。他に実用的といえるハンデスは《難題の予見者》と重たい《膨らんだ意識曲げ》ぐらい、遭遇頻度としても微々たるものですので手札の安全は概ね約束されているといって宜しく、青の使い手としては非常にありがたい環境です。



● 「ファストランドがない」

 アンタップイン2色ランドの不在。

 『マルドゥ機体』の項でも述べましたが、ファストランドが存在しないがために、MDでカードパワーを重視した多色ビートダウンを組むためには幾何かの初速を犠牲にしなければならず、アグロが自らのマナトラブルにより出遅れてしまうことが多くなった印象を受けます。



● 「鋭角的なビートダウンの減少」

 コントロールの天敵、「超攻撃的ビートダウン」。

 『漢の赤単』を筆頭とする「土地を限界まで削り低コストで固めたひたすらに前のめりなデッキ」を指しますが・・・Tier1の『マルドゥ機体』『黒緑アグロ』以下、現在のアグロデッキは《大天使、アヴァシン》や《新緑の機械巨人》などのパワーカードを搭載しミッドレンジよりにシフトしたものが多く、コントロール側に時間的猶予が生まれやすい傾向にあります。



 以上。

 苦手とするカードが少なく、スローダウンしがちなゲーム展開。

 「コントロールが勝てる」条件は整っていると思いますが・・・

 

 皆さんの『コントロール』は如何ですか(*・ω.)?


 ご覧頂きありがとうございました(*_ _)

 次回は【ティムール《電塔》】予定です。


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2コメント

  • 1000 / 1000

  • 道場主

    2017.04.08 14:30

    コメントありがとうございます(*_ _) 随分ご無沙汰しておりまして。 そうですね! 「相手の手札を無駄にさせやすい」のもコントロールデッキの長所ですね。 『ティムール《電塔》』(本日UP)ですが・・・当たりにも恵まれたのか望外の好成績でした(。-∀-)b
  • シミ

    2017.04.08 12:38

    お久しぶりです 似たような事は感じていました 私が使う中でも重コントロールが一番勝率良かったので・・・ 使っている身としては、挙げられた他に仮想敵としての機体デッキの存在感もある気がします 機体対策は大体インスタント除去ですから、除去を増やして中速化した環境に、除去が腐りやすい重コントロールが刺さっているのではないでしょうか 次のコラムも楽しみにさせていただきます ティムール電招はあのカードが未収録なので大分辛いような気がしますが果たしていかがでしょうか