コントロールを考える⑮:アゾリウス

(サブタイトル:【コントロールで勝ちたい】)


 皆さん「アモンケット」は如何ですか?

 私は、楽しくて楽しくてブログの更新がおそろかになってしまう程でしたが(。-∀-);

 さて、今回は・・・[白青]を基調とする【アゾリウス】です。



◆ 方針


■φ(-_@) : 「まず2色より始めよ」

 『アゾリウス』を選んだ理由になります。

 基本的に環境当初は2色から始めることにしており、というのも3色は2色の派生系で「2色でできないことがあるために3色目を追加する」という意味合いが強く、デッキ&新カードのポテンシャルをはかるにはまず綺麗な2色で構築するのが良いと思っているからです。

  

 「アモンケット」で白に万能除去である《排斥》が実装され、《苦渋の破棄》を使わずともパーミッションコントロールを構築できる可能性が浮上し、また[白青]のカラーリングであれば以下に掲げる4つの課題を全てクリアすることができたため、今回はコントロールの正道たる『アゾリウス』を選択することにしました。

 


◆ 前提


 構築に際して、前環境下での課題&新環境での所感です。


■φ(-_@) :「鋭角アグロを意識する」

 【コントロールの復権?】を書いている段階では一時期減っていたように感じていたのですが、環境末期はかなりの頻度で鋭角アグロにマッチメイクしていました。『黒単』『赤単』に加え、トップメタであろう『マルドゥ機体』が”ブン回った"時は凄まじく速いですし、さらに「環境初期はアグロが多い」というのが定番ですので、特にアグロを意識して構築を考えることに。


 具体的には4点です。


■①φ(-_@) 「PWの投入は抑える」

 《秘密の解明者、ジェイス》《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》《死の宿敵、ソリン》。

『エスパー』戦略の根幹を担っていたPW御三家ですが、鋭角アグロ相手にはただの重いカード成り下がることも多く、また《排斥》《不帰》といったPW対策カードが実装されたことでタップアウトでのキャストを咎められるようにもなりましたので、今回は試験的に投入する《試練に臨むギデオン》以外は見送ることにしました。



■ ②φ(-_@) 「《時間の把握》と《電招の塔》が弱い」 

 特に「後手番の場合」ですね。

 《霊気との調和》が存在しないMDの場合、《電招の塔》を後手3ターン目にキャストしたその時点でのエネルギー期待値は概ね0。仮に《霊気拠点》をセットしていたとしても、次の4ターン目に《天才の片鱗》かスペルを2アクションしないと起動できず、鋭角アグロ相手に間に合っていないことも多かったのです。ただ、それでも「間に合えば1枚勝てるカード」ですので《電招の塔》自体には投入の余地はあるでしょう。


 しかし・・・


 問題なのは《時間の把握》です。

 やっていることは「2マナの少し強いサイクリング」に過ぎず、これをキャストしているターンに相手は標準3点クロックを展開してくるため、その時点で完全に後手を踏んでしまい、アグロ相手の2ターン目にコレを打っていて勝てるイメージが思い浮かびませんでした。《電招の塔》専用エネルギーサポートのようなもの&他に適切なアクションがなかったというだけの投入で、前々から抜きたくて堪らなかったカード。



■ ③φ(-_@) 「ライフゲインが欲しい」

 主に赤系アグロを相手にした場合ですね。

 『イゼット』の負け筋の1つとして、「ボードは完全に掌握しているのに本体火力で負けてしまう」というものがありました。ライフ回復手段のないカラーリングですので致し方ないことではあるのですが、コントロールにとっては非常に悔しい負け方で、ライフが少なくなってくると動きも窮屈になってしまいますので、できれば何らかのライフ回復手段が欲しいところです。



■ ④φ(-_@) 「アーティファクト(&エンチャント)を破壊したい」

 =機体です。

 機体自体がコントロールにとっては厄介な代物ですが、特にタフネスの高い《耕作者の荷馬車》と《霊気圏の収集艇》は『イゼット』ですと対処が困難でした。また「打ち漏らした危険なエンチャントを《分散》する」というのも苦肉の策に過ぎませんので、置物対策カードがあるに越したことはありません。



◆ 構築


■ 『アゾリウスコントロール』VER.1

(*-ω-):「赤字が「アモンケット」のカードですよ~」


 先程の4点を踏まえて構築してみたのが上記のリストです。

 「とりあえず新しいカードを片っ端から突っ込んでコントロールっぽくしてみた」感はありますが、一応課題として掲げた4点は全てクリアしています。

 

⇒ ①フィニッシャー:《周到の神ケフネト》《象形の守り手》

 まずは《周到の神ケフネト》。

 スポイラーリストを見た時から「絶対に使いたい!!」と思っていたカードで、「軽い・しなない・カードを引ける」と名実ともにコントロールにとっては神のような存在。《象形の守り手》は試験的投入、+《輪の信奉者》《奔流の機械巨人》を加えフィニッシャーは全てクリーチャーで4枚です。

 


⇒ ②ドロ―操作:《ヒエログリフの輝き》

 《時間の把握》とそのまま入れ替え。

 トップ操作力こそ劣りますが、序盤は1マナでサイクリングできますし、中盤以降に引いてきた時も純粋にアドバンテージになります。《奔流の機械巨人》のバイバック先としても優秀で、例えるならば「《時間の把握》と《天才の片鱗》を足して2で割ったようなカード」でしょうか。《天才の片鱗》《明日からの引き寄せ》と併せて垂涎のドロー7枚体制に。



⇒ ③ライフゲイン:《神聖な協力》

 こちらは定番ですね。

 ライフゲインだけではなく、《逆毛ハイドラ》《ガイアの復讐者》等呪禁対策にもなりますので、デッキに受けの広さをもたらしてくれます。白を加える理由となり、また白が絡むコントロールであるならば必ず候補に挙がるカードでしょう。



⇒ ④置物対策:《排斥》

 「アモンケット」全体でもトップレベルの注目カード。

 置物どころかPWまで対処でき、なおかつインスタントタイミングでキャスト可能というコントロールのコントロールによるコントロールのためにあるような1枚で、このカードを使うために『アゾリウス』を選んだと言っても過言ではありません。



 というわけで、このデッキで意気揚々とフライデーに…

 実は親しい方と前日にこっそり「フライングフライデー」してみたのですが、

 結果は・・・


(-ω-●):「惨敗…」


 相手の方のアグロにほとんど歯が立ちませんでした(-ω-;)

 理由としてはいくつかあるのですが・・・


・①《霊気溶融》と《神聖な協力》のアンシナジー

・②《排斥》3枚と《暗記+記憶》2枚はさすがに重い

・③《象形の守り手》のカードパワー


 特に気になったのはこの3点です。

 ③については後程カード評価の項目でお話すると致しまして・・・①は対戦相手の方にご指摘頂いたのですが、《霊気溶融》をエンチャントされたクリーチャーでも頭数としてアタックはできてしまうので《神聖な協力》の効果を阻害してしまいます。


 ②はわかってはいたのですが、《排斥》を進んでサイクリングしたい場面などほとんどないので実質は4マナの受動的スペルを5枚抱えている状態、重いスペルが固まってしまう要因になっていました。



■ 『アゾリウスコントロール』VER.2

 反省を踏まえた2号機。

 主な修正点は《霊気溶融》⇒《ギデオンの叱責》への変更と、《暗記+記憶》をOUTしたぐらいの微調整です。が、この形でもアグロ最速のテンポにはついていくことができず、『アゾリウス』というカラーリングが持つ根本的な問題に直面することに・・・


■φ(-_@) :「除去が重すぎる」

 けだし、この一言に尽きます。

 『アゾリウス』には《致命的な一押し》や《焦熱の衝動》といった1マナの除去スペルが存在しません。それゆえにテンポを引き離されず、また捲り返すことが難しく、「後手1ターン目に相手のクリーチャーを除去できるか」「4ターン目に除去を打ちながらカウンターを構えられるか」という対アグロのゲームを左右するような場面においても、そのアクションの選択肢すらありません。


 =今回の結論としては・・・


「『アゾリウス』には限界がある」

「1マナの除去が使える『エスパー』か『ジェスカイ』にすべき」


 ということになりますが、1つの可能性として・・・


 原点回帰、《電招の塔》です。

 実は『アゾリウス』には全体除去も5マナの《次元の激高》ぐらいしか存在しないのですが、この高速&機体環境下で5マナの大振りなアクションで間に合うゲームはほとんどありません。であるならば、面受けを《電招の塔》に任せれば良いのではないだろうか・・・《電招の塔》は『アゾリウス』にこそ相応しいカードではないのだろうか・・・とも思えてきましたので、機会があればまた試してみたいですね(*-ω-)



 本編は以上になりますが、今回は最後にプレイ後のカード再評価を行いたいと思います。

 前回の【アモンケット:ピックアップ】も併せてご覧頂ければと存じます。



◆ カード評価


■ 「UP」


・《検閲》

φ(-_@) :「「アモンケット」で青が得た最上の1枚」

 2ターン目を受けられるだけでここまで変わるとは予想以上でした、青いコントロールを使うのであれば問答無用で3枚入れましょう。ただ、唯一の問題が・・・「スタック中にキャストを選択できず、サイクリングしかできない」バグが起こる点で、先にマナを出せばキャストできるという情報がスレッドにありましたので、試してみようと思っています(結果は次の機会に)。



・《明日への探索》

φ(-_@) :「やはりXドローは強い」

 まずは中盤に1枚目をX=3ぐらいで打てれば良し、終盤に2枚目を引ければ概ねゲームエンドでしょう。特にコントロール同型戦ではこのカードの通し合いが鍵を握ることが多いため、現在は2枚フル投入しています。



・《周到の神ケフネト》

(*-ω-):「ケッフィ!」

 想像通りの活躍ぶりでした「《ケフネト》が動く=ゲームに勝つ」とほとんど同義です。気まぐれで3ターン目に飛び出してそのまま相手と戯れることもありますが、序盤はほとんど何もせず眺めているだけ、自分の時間になるまではのんびりしているところも神らしくて好きなデザインですね。絵も可愛い(*-ω-)


 @現在は《周到の神ケフネト》《輪の信奉者》《奔流の機械巨人》をフィニッシャー枠として運用しておりますが、概ねこの3枚で満足しています。



■ 「=」


・《本質の散乱》

 コメントをする必要がないぐらい、所感通りのカード。

 対アグロだけではなく、コントロール同型戦でも《周到の神ケフネト》《輪の信奉者》《奔流の機械巨人》の何れかを巡る攻防はどこかで必ず発生しますので、2枚程度は問題なく運用できるでしょう



・《ヒエログリフの輝き》

 こちらも想定通りの1枚。

 《電招の塔》を使わないコントロールなら、私は《時間の把握》よりこちらを優先させたいと思っているのですが、MTGプロの方には眼中にないように見えるのが結構気になるところです(。-∀-)



・《暗記+記憶》

φ(-_@) :「正直勘弁して欲しい」

 白が使えるカラーリングでは《排斥》より優先されることはないと思いますが、『グリクシス』などでは重宝されるでしょう。が、このカードの本質は別のところにありまして・・・コントロール同型戦ではLO寸前まで縺れ込むこともままあるのですが、通ってしまえばまた一からやり直しになります。鬱陶しいことこの上なし…(-ω-●)


 ちなみに、Luis Scott-Vargas率いる"MTG界最強のプロ集団"「Channel Fireball」はこのカードを非常に高く評価しており、彼らのリストには4枚入っていたりします。素人目には普通のカードにしか見えないのですが、何かあるのでしょうか(*・ω.)?



・《試練に臨むギデオン》

 やはりコントロール向けのカードだと思いました。

 ただ、1番強いのは奥義だと思うのですが、MDでは《PWギデオン》自体の枚数が少ないため投入には慎重です。はじめ紋章条件を「PWをコントロールしてさえいれば負けなくなる?、凄く強いじゃないか(強すぎるわ!)」と思い込んでいて、《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》のドローで盛大に自爆したのは良い思い出(。-∀-)



■ 「DOWN」


・《象形の守り手》

φ(-_@) :「タフネスがあと1あればねぇ」

 残念ながら今回のストップ安。現在は《密輸人の回転翼機》《霊気圏の収集艇》といったパワー3のクリーチャーが制空権を争っており、せっかくの除去耐性を活かせずに次々と相討ちで倒れていきました。4/4であれば世界が変わったかもしれない惜しい1枚、コントロールのフィニッシャーとして採用することはおそらくないでしょう。



・《排斥》

 意外に思われるかもしれませんが、マイナス評価です。

 まず4マナというのは想像以上に重く、次に《排斥》を打ちたい対象は主に《屑鉄場のたかり屋》・機体・PWになるのですが、《屑鉄場のたかり屋》と機体は《排斥》のコストより軽く、PWも1度は能力を使われてしまいますので何らかのアドバンテージを失ってしまいます。さらに《再利用の賢者》・《苦渋の破棄》・相手の《排斥》とこのカードを割れるカードは環境に多いため、そこまで安心はできない印象。


 

・《ドレイクの安息地》

 最後に、今回はプレイしていないカードなのですが《ドレイクの安息地》を。

 私自身は初見で「キャストに3マナ+1マナで起動?、間に合うわけないじゃないか(。-∀-)」と思ってしまい、実際間に合っていないはずなのですが、MTGプロの方の間では結構人気が高そうに見受けられ、『アゾリウスコントロール』や『ドレッジ』に投入されているリストを見かけます。何か方法があるのでしょうか、気になりますね(*-ω-)


 今回は以上になります。

 次回は『イゼット(AKH)』を予定。

 ご覧頂きありがとうございました(*_ _)


百人組手の人

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