さて、今回は【ネクストレベルドレッジ】をご紹介したいと思いますが・・・
本題に入る前に従来型の「プレビュースドレッジ」について少しおさらいしておきます。
◆ プレビュースドレッジ
かつて百人組手を実戦したリストです。
「ドレッジ」の何たるかについてはこちらをご覧頂ければと思いますが、鍵となる《秘蔵の縫合体》をトリガーさせるのは《屑鉄場のたかり屋》《憑依された死体》《改良された縫い翼》、そこに現在は「アモンケット」から《戦慄の放浪者》が加入しています。
やられてもやられても戻ってくる粘り強さから、実戦時は勝率73%という好成績を叩き出したデッキだったものの、環境の変化(主にアグロデッキの隆盛)に伴いプレビュースドレッジはいくつかの弱点が露呈、メタゲームから姿を消し始めます。
◆ プレビュースドレッジの弱点
■①φ(-_@) :「《安堵の再会》が弱い」
端的に間に合わず。
一般的なドレッジにおける必須パーツの1つになるのですが、高速環境でボードに影響を及ぼさない2ターン目のアクションというのは中々肯定されるものではありません(特に後手では)。《時間の把握》の項でもお話ししましたが、2マナで3点クロックが走ってくる時代ですので、2ターン目の最善手はクリーチャーないし除去、ドローを打っているようでは後手を踏むのは確実になります。
さらにMDでは《秘蔵の縫合体》に投入制限があるため、やっていることは「2枚しかない《秘蔵の縫合体》を探すためにボードとテンポを明け渡す」ようなもの。取り戻せるだけの何かがあればまだ良いのですが、概ね3/3や2/2が戻ってくるだけのデッキでは弱いと言わざるを得ません。
■②φ(-_@):「カウンターのないミッドレンジが弱い」
ドレッジは[青黒赤]ないし[黒赤]という柔軟性に乏しいカラーリングになるのですが、固定パーツの構成上カウンターを大量に積むこともできず、そこからもたらされるのが「ボムへの脆弱さ」。特にPWが致命傷で「《安堵の再会》でゆっくり準備を整えている間にクリーチャーで先行され、ゾンビが出てくる頃にはPWで蓋をされる」というのが典型的な負けパターン。
以上がプレビュースドレッジが抱えていたメタゲーム的・構造的欠陥。
実は(ドレッジ大好きらしいMD界のパトリック・チャピンと)「アモンケット」実装後すぐにドレッジを調整してみたものの、「メタゲーム的に厳しい」という結論とともにフラッシュに移行したという経緯もありました。
が、そんな従来型ドレッジの弱点を解決したリスト(原型)がこちらになります。
◆ ネクストレベルドレッジ
「MTG日本公式ウェブサイト」様では『赤黒ゾンビ』と紹介されていますが、戦略自体は《秘蔵の縫合体》を起点とした紛れもないドレッジです。「ゾンビの打たれ弱さを解決するためにドレッジに活路を見出す」発想自体は【コラム:ゾンビ】の『黒青ゾンビ』と同じなのですが、相違点は「赤の導入」。
2色目に赤を選択したことにより、『黒青ゾンビ』の《瘴気ミイラ》は《血怒りの喧嘩屋》になり(単純に2倍の打点!)、その他にも《熱烈の神、ハゾレト》《癇しゃく》といったパワーカードを選択できるようになっています。=『黒青ゾンビ』からの単体パワーの向上は明らかで、「なぜこの形まで踏み込めなかったのか」という少々悔しい思いもあるのですが、このデッキが【ネクストレベルドレッジ】たる理由は「アグロ戦略への転換」にあります。
象徴的なのが「《安堵の再会》⇒《血怒りの喧嘩屋》」への変更。
墓地に送り込む手段がドローと4点クロックではプレッシャーは桁違い。苦手なPWに対しても、構成をアグロに寄せることで「先手を取られてPWで決められる」⇒「先手を取ってPWを討ち取る or その前にゲームを決める」というゲームプランが採れるようになっており、従来型ドレッジが常に抱えていた「もっさり感」は解消され、シャープなデッキへと変貌を遂げています。
ここまで書いてきまして、それではMD仕様のリストを…といきたいところなのですが、実は1週間程調整していたのですが、未だ結論が出ていない部分もありまして、そこは皆さんにも考えて頂きましょう。
こちらがMD仕様(未完成版)。
MDではゾンビの数が少ないため、代替として使えそうなカードを詰め込んださながら「バンプゾンビマッドネスドレッジ」のようになっていますが・・・
特徴を一言で申し上げれば「粘り強さのあるアグロ」になるでしょう。
通常のアグロとの差別化もそこにありまして、「1T:《憑依された死体》ディスカード ⇒ 2T:《秘蔵の縫合体》とともにカムバック」といったドブン回りを搭載しつつ、第2波・第3波の波状攻撃をかけることが可能になっています。
残るフリースロットは3枚。
・アグロ戦略に合致すること
・クリーチャーであること
・4マナ以下であること
・シナジーがあること
求める条件としてはこんな感じです(。-∀-)
アグロなカードであることは大前提、《屑鉄場のたかり屋》のことを踏まえればクリーチャー23体は最低ライン。余剰な土地を捨てていく都合上5枚の土地を並べている余裕はないので4マナ以下が望ましく、現状捨てさせるカードよりも捨てられたいカードのほうが少ないため、ディスカードシナジーがあればベターです。
以下、試してみたカードと投入候補を・・・
●《墓所破り》
当初は投入されていたのですが、そこまでゾンビシナジーがあるわけではないので《傲慢な新生子》と入替に。起動にマナがかからない《傲慢な新生子》であれば、1ターン目ディスカードからのドブンにも貢献できます。
●《疫病吹き》
同じくゾンビシナジーが乏しいためOUT。
●《狼の試作機》
零案に入っていたカード。
プレイテストを託した全員から「これだけは替えた方がいい」というレスポンスが返ってきたため没に。まぁ、確かに常に手札0枚を要求されるというのは厳しく、特にアタックが全て万歳になるというのは良くありませんね。
●《アクームの火の鳥》
戦略との合致+《秘蔵の縫合体》トリガーにもなるカード。
但し、問題はコストがペイできず中々復活しないこと。
●《精神壊しの悪魔》
ナイスなサイズ感を持ち、墓地に4枚落とせるクリーチャー。
但し、ほとんどの場合手を噛まれることなるでしょう。
●《アン一門の壊し屋》
一部からのアツい押し。
やる気満々ですが、シナジーは何もありません。
●《グール馬》
全員から「どんなカードでしたっけ?」と問い返された1枚。
半分(以上)冗談だったのですが、意外に結構仕事をする私の一押し。
●《ドレイクの安息地》
一応最後にふれておきますか。
「アモンケット」実装当初にコレが入ったリストがMTGで散見され「本当に間に合うのか?」というコメントをしたと思いますが、その後全く見かけなくなりました。そもそも、3マナのエンチャントを置いてから1マナ余らせてドレッジができるような環境なら何も苦労していません。
こんなところでしょうか。
皆さんは何を入れますか(*・ω.)?
今回は以上になります。
ご覧頂きありがとうございました(*_ _)
百人組手の人
4コメント
2017.06.08 08:25
2017.06.08 03:10
2017.06.07 17:00