第9回:白青◇ミッドレンジ③(考察)

 それでは、はじめていきましょう。 

 (※)結果につきましてはこちら



- 考察 -

 まずは勝因分析です。


◆(1)カードが強い


 単純にカードが強かったです。

 デッキ中のほとんどのカードが最低でも及第点と言った具合で、《反射魔導士》《つむじ風のならず者》《難題の予見者》《現実を砕くもの》《希望を溺れさせるもの》など、カードパワーの高いカードが多くそれらをただ叩きつけているだけでも勝ててしまうゲームもありました。勝因欄を見る限り、あの《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を脇役に押しのけていたぐらいですからね。



◆(2)シナジーが豊富


 派手なモノから地味なモノまで豊富にシナジーがありました。

ただでさえ強力なカード達が連係しあってくるのですからそれは明らかに強いとしか言う他なく…勝因欄をご覧になって頂ければヒーローが毎回のように違っている=いかに攻め手が豊富であったかがお分かりになると思います。

 以下、いくつか見ていきましょう。


●「クリーチャー数」ギミック

 これだけ並べるクリーチャーが多ければ「変身」条件を満たすのは簡単でしたね。特に《ハンウィアーの民兵隊長》と《つむじ風のならず者》パッケージは素晴らしく、期待通りの活躍でした。

 《ウェストヴェイルの修道院》は、デメリットも大きいカードですので条件を満たしても容易には起動に踏み切れなかったのですが、切り札的な存在として相手へのプレッシャーになっていました。素晴らしいのは「全体除去への受けとして使える」ことで、《ウェストヴェイル教団の指導者》《つむじ風のならず者》と並べてマナを残しておけば「全体除去を打たれてもすかして9/7飛行を残す」ことができます。3枚コンボと表現しても良いかもしれませんね(。-∀-)


 また、忘れてはならないのが・・・


・《荒廃した草原》

 地味ながら最後の「クリーチャー数」ギミックとしていぶし銀の活躍でした。10点ぐらいは簡単に回復させてくれるので対【アグロ】相手に有効な他、このカードを手札に隠しておいてタイトなダメージレースを装い、最後の最後でこちらだけドーピングして延命するという(性格の悪い)プランが取れるようになるところもGood。



●《変位エルドラージ》ギミック

 前評判以上の活躍。

 《変位エルドラージ》自体が(当たり前ですが)徹底的に狙われるため、除去されてしまうことも多かったのですがそれでも1割ほどはこのコンボを決めて取っています。決まった時の破壊力はゲームエンド級、相手に出来ることは投了ぐらいでしょう。



●「ジャンプアップ」ギミック

 「3⇒5マナ」のギミックですね。

 地味ながら効果的なギミックとして前環境から意識していたのですが、それが《現実を砕くもの》であれば格別でした。(【白青アグロ】だと思っていたところに)第4Tにいきなり7点クロックが走ってくるというのは強烈の一言。先出しされた《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》や《森の代弁者、ニッサ》などに対応しやすい点も◎でしょう。



- 注目 -

 引き続きまして、注目していた2枚のカードについて。


・《霜のオオヤマネコ》

(。-∀-):「所詮《ヤマネコ》だと思ってた?」

(-ω-●):「正直…」


 ええ、そう思っていましたとも。

 しかしながら、このデッキでは「4枚目の《反射魔導士》」として良く働いていました。《変位エルドラージ》と対になりますと《反射魔導士》と同じぐらいのロックがかかりますし、単体でも及第点の能力は持っています。

 ただ、《反射魔導士》《霜のオオヤマネコ》が合計7枚ありますとこれらリアクションカードで手札がダブつくことがありましたので少し数を減らしてもいいでしょう。また…

 《縫合の刻み獣》に代えてしまうという選択肢もあります。

 同じ能力ながらタフネスが3あるところがポイントで、タップインというデメリットが増えますが基本的な仕事は「タップ」能力にありますので、攻めるにしろ守るにしろタフネスが高いメリットのほうが大きいように感じます。そして…


(。-∀-):「コレ入れるならアレ入れたら?」

φ(-_☆) :「そういう渋いギミックは好きだねぇ」

 《縫合の刻み獣》の種族は「ゾンビ」ですので、《分散》を《抗えない抑止》に換えれば基本形は維持したままささやかな「ハンデス」ギミックを組み込むことができますね。自分側に打ちたい場面もありますので一概にメリットにはならない可能性もありますが、面白いギミックではあるでしょう(。-∀-)b



・《まばゆい反射》

 注目カードその②。

 バットリ的にも使えますし、「究極のわからん殺し」として何度か窮地を救ってくれました。素晴らしいのは「《不敬の皇子、オーメンダール》変身でがら空きになった自陣を守ることが出来る」点で、このカードがあったこそ《オーメンダール》プランを選択できたゲームも何度かあり、この2枚も実質コンボと言ってもいいかもしれませんね。

 ただ、《分散》と合わせてボードに直接影響を及ぼさないカード8枚はさすがに多すぎた印象(-ω-;)。これらを序盤に2枚以上引かされると盤面が苦しくなりますので懐刀的に1枚、あっても2枚までの運用に留めるか、ライフゲインは《荒廃した草原》もありますので抜いてしまっても支障はないように思います。



- 調整(案)-

 それでは、最後に恐縮ながら調整案を。

 課題は①「除去」②「全体除去対策」③「マナベース」でしたね。普段なら「マナベース」から見ていくのですが、今回は①と②を先に見ていきます。


● 「除去」&「全体除去対策」


 ひとまとめにしていまいますね。

 【ミッドレンジ】以降のデッキを相手にする時の敗因のほとんどが、《不屈の追跡者》を代表とするシステムクリーチャーにアドバンテージを稼がれ続けるか全体除去を打たれる、あるいはその両方でした。ということは、それらを対策すれば7割勝っていながらまださらに勝てる可能性があるということになります、素晴らしいポテンシャルですね(*-ω-)!


 さて何か良いカードはないでしょうか?・・・


・《次元の歪曲》《歪める嘆き》

 ありました(*-ω-)

 ◇を代表する2枚のスペルですが、どちらもこのデッキの弱点を見事にカバーしてくれます。特に《歪める嘆き》の「ソーサリーをカウンターする」モードは良い働きをするのではないでしょうか。このデッキは「点でも面でも強い」(サイズにも数にも優れる)ので、全体除去さえ弾いてしまえば対処するのは非常に困難でしょう。


φ(-_☆):「《次元の歪曲》は自分のクリーチャーをパンプできることも忘れないように」



● 「マナベース」


 続きましてマナベースです。

 従来の構成ですと後半にしか必要としない(◇)が余っていて、(白)(青)が不安(特にダブルシンボルの《つむじ風のならず者》と《ゼンディカーの同盟者ギデオン》)といった印象でしたので、とりあえず2枚の《荒地》のうち1枚を要求数の多い《島》への変更をと思っていたのですが、2マナの◇スペルを追加することにより序盤にも(◇)が必要になりました。(後に回したのはそれが理由です)。

 ですので、ご自分の投入されるカードに合わせて色マナの再調整を検討されて下さい。ここでは必要最小限の変更のみ記載致します。


・in 《氷河の城砦》

 デッキを構築するまで入っていないことに気づかなかったカード。《曲がりくねる川》の完全上位互換かと思いますのでとりあえず差し換えてしまって宜しいでしょう。タップインが気にならないようであれば、基本地形と交換してもいいですね。



・out 《溺墓の寺院》

(。-∀-):「このカードやけに人気あるよね」

(-ω-●):「仕事しないと思うんだよなぁ…」

φ(-_☆) :「まるで誰かみたいだねぇ」


 第2回【白黒緑ミッドレンジ】にも入っていたと思うのですが、能力を使えるわけでもなくまた使って嬉しい能力でもありませんので他の有用な◇土地にしましょう。例えば…

 《ならず者の道》の「アンブロック」や《領事の鋳造所》の「トークン生成」能力は土地としては十分な働きでこのデッキに貢献してくれるはずです。単純に《荒廃した草原》の3枚目を加えてもいいですし、《オラン=リーフの廃墟》も候補にはなるのですが、テンポ良く展開したいデッキですのでタップインは限界かなという印象ですね。



● 微調整


 微調整と書きましたが、ただ1枚のカードのためにこの枠を用意しました。

 それは・・・


・《大天使アヴァシン》

 入れましょう(絶対)。

 基本性能はもちろんのことながら、何より素晴らしいのは「変身能力の死亡条件がトークンであることを問わない」ところで、「エルドラージ・末裔トークン」の多いこのデッキであれば「能動的に変身させることが出来る」のです(。-∀-)b。「全体除去対策」・「《変位エルドラージ》との強力なシナジー」に加えて、全体除去まで出来るなんてこのデッキのためにあるようなカードと思いませんか?

 是非、入れましょう。



 Reportは以上になります。

 さまざまなシナジーが織り込まれた素晴らしい、またプレイしていて楽しいデッキでした。全てを計算の上に組まれていたのだとしたらその構築センスに脱帽ですね(。-∀-)。恐ろしいことにここからさらに伸びるポテンシャルを持ったデッキだと思いますので、皆さんもプレイされて是非みて下さいね、面白いですよ(*-ω-)



φ(-_☆):

「「弱いカード」と「普通のカード」を組み合わせてもあまり強くはならないけど、「強いカード」と「強いカード」 が組み合わされば「滅茶苦茶強く」なる。「個」と「連係」、両方を大事にすることだね」


 長くなりましたが、最後までお読み頂きありがとうございました(*_ _)


百人組手の人

Magic Duels 百人組手

マジックデュエルズ実践ブログ

2コメント

  • 1000 / 1000

  • 道場主

    2016.07.10 13:35

    修正しておきました。 ご指摘ありがとうございました(*_ _)
  • vanish

    2016.07.09 15:45

    《ならず者の道》の画像が誤植版の方になってますね