コントロールを考える⑥

 (サブタイトル:【コントロールで勝ちたい!】)

 

  それでは始めていきましょう。

 今回は第16回【エスパーコントロール】の実戦で掴んだ何か、について・・・


φ(-_@):「やぁ諸君、ごきげんよう」

φ(-_@):「まずはこれを見てくれまえ」

(。-∀-):「これは例の・・・」

(*-ω-):「【元祖収斂】です!」

(-ω-●):「また古いものを…」


φ(-_@):「そう、誰もが否定的な中勝率80%という驚異的な戦績を叩き出し、「速いクロック」と「カウンター」という当時最強と言われたランプの弱点を見事に突いた環境のソリューションにして・・・無駄がないそのリストは組手史上、いやMD史上でも最も美しいデッキの1つであり・・・その後脈々と受け継がれる『クロックパーミッション』の祖・・・【元祖収斂クロック】だよ」


(-ω-●):「長い…」

(*-ω-):「それで【元祖収斂】と何の関係があるんですか?」


φ(-_@):「このリスト、1番特徴的なものはなんだったかね?」


(*-ω-):「え~っと・・・」

(。-∀-):「《分散》4枚!」


φ(-_@):「そう、当時の考察にもこう記されている」


:《分散》はデュエルズのメタカードかもしれない


φ(-_@):「これは現代でも変わりはなかったんだ」

φ(-_@):「つまり・・・」



φ(-_★):「コントロールの鍵はバウンスにあり!!」




(*-ω-):「どういうことですか?」


φ(-_@):「では聞こう」

φ(-_@):「『コントロール』を使っていて、相手の先手3ターン目に《熱病の幻視》や《スフィンクスの後見》、《最後の望み、リリアナ》を唱えられたらどうする?」

(*-ω-):「う、『エスパー』なら手札に《苦渋の破棄》があることを祈ります」

(。-∀-):「もちろん手札の《苦渋の破棄》でバーン!っと」


φ(-_@):「手札に《苦渋の破棄》がなかったら?」


(*-ω-):「「すぐ引けますようにぃ(><)」ってお願いするしかないですね」

(。-∀-):「もちろん山札の1枚上の《苦渋の破棄》を引いてきて唱えるよ?」


φ(-_@):「自分がマジックの神に愛されていると思い込んでいる奴は放っておいて・・・いきなり窮地に追い込まれるよね?。《苦渋の破棄》が使える『エスパー』でもこれなんだ、『グリスシス』や『ジェスカイ』なら大体詰みと言ってもいい」



φ(-_@):「はじめから間違っていたんだよ。これだけ多くのデッキが生息していて、色んなカードがある中、2マナカウンターもない状況で・・・」


φ(-_@):「カウンターだけで受け切れるわけがなかったんだ」



φ(-_@):「相手の先手3ターン目に《スフィンクスの後見》や《熱病の幻視》を置かれたり、《リリアナ》がいきなり出てきたとしても《分散》か《非実体化》が手札にあればとりあえず嵌めパターンは回避することができる」


(-ω-●):「それだけのために…?」


φ(-_@):「もちろんそれだけじゃない、2マナのバウンスはあらゆるデッキに有効な1枚だったんだ。これから理由を説明しよう」




◆ 対アグロ


φ(-_@):「アグロの代表機と言えば《密輸人の回転翼機》だけど」


・2T :《密輸人の回転翼機》

・3T :適当なクリーチャー ⇒ 《密輸人の回転翼機》起動 ⇒ アタック


φ(-_@):「この忌々しいムーブに対して、《分散》か《非実体化》があれば・・・」


・2T :《密輸人の回転翼機》

・3T :適当なクリーチャー ⇒ 《密輸人の回転翼機》起動 ⇒ 「バウンス」

・4T :《密輸人の回転翼機》再キャスト

・5T :《密輸人の回転翼機》アタック


φ(-_@):「2ターンも遅らせることができる

φ(-_@):「無論これは機体だけではなくクリーチャー全般に当てはまるし、3マナ以上のクリーチャーを戻せばテンポも稼げ、巧く使えば《Time Walk》(※古の秘法「パワー9」の1枚、2マナで追加のターンを得ることができる極悪スペル)にもなれる。少なくなったとはいえ一定数はいる『パンプ系アグロ』には言うまでもなく効果覿面」


(-ω-●):「でも手札1枚損してるよ…?」


φ(-_@):「問題ない」

φ(-_@):「そもそも負けるよりはマシだし、これについては第12回【白青緑アグロ】《森のレインジャー》の考察にこう記されている」


:《森のレインジャー》はプレイアブルとは言えない。但し

:《森のレインジャー》以外のカードが補って余りあるほど強い場合は肯定されうる



φ(-_@):「=ドローとフィニッシャーが強力なコントロールにとって序盤のカード1枚分の損失程度取るに足らない。負けてさえいなければ後半いくらでも取り返せるからね」

φ(-_@):「特に「2T《分散》or《非実体化》⇒《骨読み》」という動きは良さそうだね、カードカウントを減らさずにテンポだけを奪い取ることができる」



◆ 対ミッドレンジ


φ(-_@):「ミッドレンジ相手の場合は主にPWを巡る攻防になるけど、打ち漏らしたPWを戻せるという択があれば負け目を1つ減らすことができる。それに」

φ(-_@):「例えば隙をついて出した《反逆の先導者、チャンドラ》をターンエンドに《分散》されたとして、コントロールの手札とマナが全開になった次のターンにもう1回キャストしたいと思うかい?」


(*-ω-):「ううう、絶対カウンターされそうなんで嫌です」

(。-∀-):「いっちゃえいっちゃえ、どうせ持ってないよ!」


φ(-_@):「そうだよね?。大体のプレイヤーは悩むはずで、悩んだプレイヤーの大多数はキャストしないを選ぶと思う。仮に脳筋にキャストされてカウンターできなかったとしても、食らえば負ける奥義のカウントをリセットできるだけでも十分、バウンスが使えることはコントロールにとって大きな意味があるんだ」




◆ 対コントロール


φ(-_@):「コントロール同系についてもこれは同じ」

φ(-_@):「コントロール同系戦は概ね切札=PWの通し合いになるけど、そこで相手が必死のカウンター合戦の末に着地させ、勝った!と思ったPWをたった2マナで手札に戻す術があることは大きい」

φ(-_@):「《非実体化》は場に出てしまったPWを戻すことはできないけど、通常3マナカウンターしか予想して動かないから(というか《払拭》や《非実体化》まで読んでると動けないからね)、そこで2マナの疑似カウンターの存在が勝敗の鍵になることもあるだろう」




◆ My Control


φ(-_@):「最後に戦略的整合性」

φ(-_@):「まず前提として、コントロールはPW戦略にオールインするべきなんだ」

φ(-_@):「言い換えれば、カードを引けるPWすなわち「《ジェイス》か《ニクシリス》(とおまけの《ソリン》)をいかに着地させいかに守り抜くか」に終始するべきで、これこそが最も安全かつ確実に勝てる戦略の根幹だと思っている」


φ(-_@):「それを踏まえて、以下の状況を考えてみてほしい」


・手札:《風への散乱》《秘密の解明者、ジェイス》+@

・場 :7マナ(セットランド)



φ(-_@):「相手の場はマナと手札は同等、色は問わず…と仮定して、この状況で自分のメインフェイズ、どうする?」


(*-ω-):「う~ん、《ジェイス》を出してもいいと思うんですけど、相手のターンで《炎呼び、チャンドラ》とかに《ジェイス》を倒されるのが1番嫌なので・・・土地が引けるのを待ちます!。あと1マナあれば《風への散乱》を構えながら出せますからね」

φ(-_@):「そう、この「8マナからの《ジェイス》or《ニクシリス》」がコントロールのヴィクトリームーブにして投了への一手なわけなんだけど・・・《非実体化》ならこの動きを1ターン速くやれる=1ターン速く7マナから詰めろをかけることができるのだよ」


(-ω-●):「その1ターンにそこまでの意味がある?…」


φ(-_@):「大ありだ、マジックは1ターンの後先を取り合うゲームでもあるからね。前提に戻るけど、コントロールは「PWさえ守りきれば勝てる」。マナさえ起きれば余程手札が弱くない限りは守り切れるから、あとはカードを引き続けてI win」


:「PWを安心して出せる保険的運用」として〇


φ(-_@):「【グリクシスコントロール】をテストした時に《抜き取り検査》を高く評価したのもこの点にあったわけだ。《抜き取り検査》なら想定されうる最悪・・・《炎呼び、チャンドラ》を返されても《ジェイス》はそのターンは生き延びられる=6マナからの勝負が肯定されることになる」



φ(-_@):「以上から・・・」

φ(-_@):「2マナのバウンスは『エスパー』の《蓄霊稲妻》・『グリクシス』の《苦渋の破棄》として、弱点を補い長所を伸ばすコントロールのキーカードと言えるのではないか!」




◆ Choice & Count


(-ω-●):「《分散》と《非実体化》が混ざってる気がするけど…」


d(-_@) :「うむ。あとはどちらを、あるいは両方を何枚採用するかという話になるんだけど・・・」

d(-_@) :「まず枚数。これは感覚的な話になるけど、1枚は是非入れておきたい、2枚はあってもいい、3枚は少し多い印象。コントロールがアドで負けるとか洒落にならないので・・・2枚までなら問題なく運用できるはず」


d(-_@) :「次に選択」

d(-_@) :「《分散》の長所は「場に出ている土地以外ならなんでも対象に取れる」こと。短所は場に出た後に対処することになるから、「場に出た時」能力を持つクリーチャーやPWの能力使用を1度は許してしまう」


d(-_@) :「対して・・・」

d(-_@) :「《非実体化》の長所は「1度だけならなんでも止められる」という万能の受け、+「土地も対象にとれる」こと、地味だけどミシュラランドも対象に取れることは結構重要。ただ、1度着地をゆるしたPWやエンチャントには触れないという弱点がある」


d(-_@) :「以上を踏まえると・・・」


d(-_@) :「あとから対処可能な《分散》のほうが「負け目を減らす」受けは広いから1枚なら《分散》を選びたい、特に《苦渋の破棄》を持たない『ジェイカイ』や『グリクシス』は代替として《分散》を2枚でいいんじゃないだろうか。『エスパー』には選択肢があるから、《分散》と《非実体化》を1枚ずつ積んでみてもいいかもしれないね」


d(-_@) :「これが現時点での結論かな」

(-ω-●):「《抗えない抑止》のことも思い出してあげて…」


 「バウンスソリューション説」、果たして如何でしょうか。

 ご覧頂きありがとうございました(*_ _)


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