第20回:青黒赤ドレッジ③(考察)

 それでは考察を始めていきましょう。

 主様より頂いていた、「《憑依された死体》or《改良された縫い翼》」「ドローソースの選択」「対コントロール勝率」という3つのご依頼に加えて、「アグロ耐性の向上」についてみていきたいと思います。



◆ 「《憑依された死体》or《改良された縫い翼》」


 「どちらがより環境に適しているのか?」というご質問でしたが、結論から先に申し上げれば「and」、つまりどちらも必要です。


 《憑依された死体》はコストが軽く、《改良された縫い翼》は大抵の飛行クリーチャーから制空権を握ることができ、アタッカーとしても優秀です。何より「ゾンビを墓地に落とせるかどうか」は戦略の根幹となる部分ですので、どちらも投入してしまって問題ないのではないでしょうか。加えて、個人的には《憑依された死体》の3枚目を追加したいですね。



◆ 「ドローソースの選択」


 候補として挙げられていたのは《棚卸し》《天才の片鱗》《研究室の捜索》の3枚、今回プレイしたのは《天才の片鱗》です。


 《天才の片鱗》は、打つことさえできれば3種のうち最も強力と言えるのですが、テンポ的に4マナを浮かせるのが難しいこともあり、また《安堵の再会》とかち合いコストとして捨てることもありました。=より重い《研究室の捜索》も候補から外れ・・・


 従って、(ドローを投入するのであれば)《棚卸し》が宜しいのではないでしょうか。

《安堵の再会》との相性は元より、とにかく墓地にカードが落ちるデッキですのでシナジーは十分、4マナあれば《棚卸し》⇒《憑依された死体》リアニメイトと2アクションできますので、テンポとしても〇でしょう。



◆ 「対コントロール勝率」


対コントロール :89%(16勝02敗)


 結果の項でも申し上げましたが、数字が示す通り圧倒的有利です。

 というより正確には・・・


φ(-_@):「コントロール側はやってられないレベルだろうね」 


 除去しても除去して戻ってくるクリーチャー達に加えて、カウンターにドロー…これでもかと言うぐらいのアンチコントロールカードの束ですので、注意するのは《熱病の幻視》が投入されたバーン型ぐらい、ゾンビさえきっちり引くことができれば概ねゲームにならないレベルでしょう。


 但し・・・

(-ω-●):「この女うぜぇ…」

 

 ただ1点、《先駆ける者、ナヒリ》だけは危険です。

 こちらのゾンビ達を追放する能力を持っており、忠誠度も簡単にあがるため、除去と合わせてアタックを捌かれると徐々にドレッジパーツを失っていくことになります。実際敗れた2戦はどちらも立ち塞がる彼女を乗り越えることができず、封殺されました(-ω-;)



◆ 「アグロ耐性の向上」


 最後に、唯一の欠点であったアグロ耐性について見ていきたいと思います。

 

 主様からも「環境に多数いるアグロに弱く、あまりメタに合ってるデッキではない」というお言葉を頂いておりました。が、少々意地悪な表現になってしまうのですが・・・「自分のやりたいことを追求し、メタに合わせようとしていない」ように感じられる部分がありました。


 それが、実戦前に注目していた《集中破り》《天才の片鱗》《奔流の機械巨人》のコントロールパッケージです。

 確かに《奔流の機械巨人》&《天才の片鱗》コンボは強力で、11回の勝因にもなっておりますし、要所での《集中破り》は素晴らしい働きを致しますが、それは単体としての強さで、デッキ的・メタ的には疑問符が付くカードでした。



● ①「戦略的整合性」

 そもそも、このデッキの最強の動きは手札をかなぐり捨ててのゾンビアタック、余剰な土地は置くよりも捨てるために抱えたいため、「手札を抱え土地を伸ばす」というコントロール戦略とは本質的には逆行しています。できれば5枚目以上の土地は置きたくないため、《奔流の機械巨人》のためだけに土地を伸ばすのか、悩ましい場面も多かったですね。


● ②「グリクシスコントロール」

 このデッキには2つの戦略がありました。

 1つがゾンビビートプラン、もう1つが《奔流の機械巨人》&《天才の片鱗》パッケージを用いたコントロールプランなのですが、今までの実戦上『グリクシスコントロール』はコントロール御三家では最も評価が芳しくないカラーリングです。ましてこのデッキにはPWが入っておらず、「PWのないグリクシスコントロール」・・・戦略としては少々不安ですよね(-ω-;)


● ③「メタゲーム」

 決定的な理由がこちらですね。

 組手データによる現状のメタゲームは、5割強がアグロ・コントロールは2割弱です。そして、このデッキはアグロにさえ勝つことができれば勝率8割をも狙えたデッキだったのです。そこまで目の敵にしなくとも元々の構成からコントロールには有利なデッキですし、2割を駆逐するより5割を対策したほうが合理的であるように思いますね。



 ・・・以上を踏まえまして、これら長期戦向けのカードを対アグロカードに差し替え、アグロ耐性を上げる方向性で検討していきましょう。


 真っ先に候補に挙がってくるのは《光輝の炎》と《稲妻の斧》ですね。


 《光輝の炎》は、対アグロ戦での鍵が《コジレックの帰還》にあるのであれば増やしてしまえばいいというアプローチで、高速化により《衰滅》でギリギリ《次元の激高》では間に合っていない、というようなゲームも増えたように思いますが、このカードだけは別格です。1~3ターン目の動きを流せるだけで相当な有利が付くでしょう。


 《稲妻の斧》は、僅か1マナですのでアグロのテンポに付いていくことができ、元のリストでは3枚の《蓄霊稲妻》しかなかった後手2ターン目の《密輸人の回転翼機》に対処する手段を増やすことができます。対アグロ以外でも、5点はほとんどのクリーチャーを射程に捉えておりますし、捨てたいカードはたくさんありますのでシナジーとしても〇でしょう。


 また、《奔流の機械巨人》⇒《不憫なグリフ》にしてみても面白いかもしれませんね。見た目は7マナとはいえ実質は2~3マナ、《コジレックの帰還》をトリガーさせる3枚目のカードになりますし、ビートダウンとしても優秀なクリーチャーです。


 @コメントを頂いていた《熱病の幻視》についてですが、今回は対アグロに寄せる方針ですので残念ながらNGです(。-∀-);。コントロール相手には3ターン目に出せばそれだけで勝てるカードではあるのですが、対アグロにおいては「足が止まって倒れかけた相手を助け起こす」ようなカードになってしまいますからね(-ω-;)


 

 最後に、はじめとおわりで評価が一変したカードについてふれておきます。


 《査問長官》。

 このデッキの1つの鍵は《秘蔵の縫合体》と《コジレックの帰還》を引けるかどうかにありますので、それらを探しにいく面白い選択だと実戦当初は思っていたのですが、実戦が進むにつれて中盤以降に引いた時の弱さが気になるようになりました。・・・彼、ほとんど何もしないんですよね(-ω-;)

 ですので、《傲慢な新生子》に入れ替えるのも一案でしょうか。

 手札にあるカードならば何でも墓地に落とすことができますし、2ターン目に《癇しゃく》を打てるようにもなり、いつ引いても最悪キャントリップはできるので無駄になることがありません。何気に威迫を持っていますのでコツコツアタックできるところも憎いですよね、見かけによらず素晴らしいクリーチャーです(*-ω-)


 今回は以上になります。

 最後までご覧頂きありがとうございました(*_ _)

百人組手の人

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