それでは、考察を始めていきましょう。
今回は、25戦時勝率の最大差が24%(80%~56%)とムラのあるデッキでしたので、まずは「なぜムラが生じたのか」について考えていきまして、次に主様のご依頼であった「《氷の中の存在》《電招の塔》《虚空の接触》の投入可否」について見ていきたいと思います。
では早速。
勝率ムラが生じたことにつきましては、いくつかの理由が考えられるのですが・・・
◆ 「特定カードへの依存」
『バーン』と申しましても、20点全てを火力呪文で削り切れるわけではなく、何点かはパーマネントカードで稼がなければ点数が足りません。
その役割を担っていたのが《熱錬金術師》《嵐追いの魔道士》《熱病の幻視》と《反逆の先導者、チャンドラ》の4枚なのですが、これらを引けないか対処されてしまった場合には、削り切ることができないという事態に陥ってしまいます。
また、《熱病の幻視》《反逆の先導者、チャンドラ》はレア・神話レアですので投入制限も厳しく、概ね《熱錬金術師》と《嵐追いの魔道士》に期待することになるのですが、彼らはクリーチャーですので、活躍する前に簡単に対処されてしまうことも多かったです。(裏を返せば、このデッキと対戦する場合はこの2枚を優先して対処すればいい、ということになりますね)
◆ 「現在のメタゲーム」
皆さんもご存じのことと思いますが、当百人組手の実戦データでも「50%強がアグロ」というデータが出ている通り、現環境ではアグロデッキが隆盛を極めています。必然、誰もがアグロ対策のカードをデッキに投入してくるわけですが・・・
その中の1つ、【ライフゲインカード】がこのデッキには非常に刺さります。
《神聖な協力》《本質の摘出》《ムラーサの胎動》《折れた刃、ギセラ》《ゲトの裏切り者、カリタス》《保護者、リンヴァーラ》…今回実戦中にプレイされた一例ですが、主様も仰っていた通り、これらのカードをプレイされてしまうと20点を想定しているゴールが遠退き、追加の火力を待っている間に逆転されてしまうことが多かったですね。(それでも何度かは上から無理やりダンクを決めましたが)
(*-ω-):「この人結構強いんですよ?」
(-ω-●):「オッサンには三人称「ヒト」なんだね…」
そういえば、今回は《優雅な鷺の勇者》もプレイされました。
外見では完全に名前負けですが「瞬速」に加えて、人間限定とはいえ「全体パンプ&絆魂」というダメージレースを崩壊させる能力を持っているクリーチャーで、もちろんプレイされたゲームはきっちり負けました(。-∀-);。たまに入っているデッキがあるのですが、このカードご存知でしたか(*・ω.)?
また、メタゲームに関連致しまして・・・
● 「《熱病の幻視》の弱体化」
『PWS』が仮想敵の1番手だった【第4回:青赤クロック】を実戦した当時は、中速以上のデッキに対するキラーカードとして「出す即ち勝つ」程の大活躍をしていたこのカードですが、アグロ全盛となりました現在ではそこまでの信頼はできないかもしれません。
というのも、(特に後手の場合に)アグロデッキの大半はこちらと同等かそれ以上に手札をダンプしてくる(※使い切ってくる)ので、せっかく出した《熱病の幻視》が全くダメージを与えることなく、相手の弾数増加だけに貢献してしまうことも多いのです。特に『黒赤マッドネス』相手には出さないほうが懸命でしょう、大体逆利用されて負けます(-ω-;)
◆ 「色マナベース」
おそらくはアグロとのダメージレースを制するべく投入された《血管の施し》なのですが、黒マナソース7枚での運用は少々厳しい面もありましたね。《安堵の再会》との素晴らしい相性もあり、嵌った時はとんでもない火力を叩き出していたのですが、黒マナを引けない・黒マナを引いたせいで(赤)(赤)が出せない、といった色マナスクリューも相当数起こっていました。
1つ、ご提案なのですが・・・
(。-∀-):「「黒赤」か「黒赤(青)」じゃダメなのかな!?」
実はこのデッキ、主要カードはほぼ赤いのですよね。
青要素の《嵐追いの魔道士》や《パズルの欠片》は、それぞれ《ファルケンラスの後継者》《骨読み》などで代用できないこともないですし、《熱病の幻視》を諦めるか《熱病幻視》と《霊魂破》のコピーのために青をスプラッシュにした形もありなんじゃないかなぁ(*・ω.)?と思いました。
デッキについては以上です。
次にご依頼のカードについて見ていきましょう。
◆ 「《氷の中の存在》」
青メインであれば是非投入したいカードですね。
【第4回:青赤クロック】の実戦において高い評価を受けたカードで、MTG界でもモダンの『青赤昇天』・八十岡選手の『グリクシスコントロール』など投入事例は多く、実力は折り紙付きです。反転条件はこのデッキであれば難なくクリアできるでしょうし、1度でも攻撃できればそれだけで7点、全体バウンス能力によりアグロ受けになることも見逃せません。
◆ 「《電招の塔》」
恐縮ながら、当コラム【コントロールを考える】において「滅茶苦茶強い」との評価を付けておりますのでポテンシャルとしては大いにありでしょう。
しかしながら、「このデッキに合うのかどうか」という点では検討の余地が残ります。要は「オーバーキルではないか」「置いていて間に合うのどうか」という2点なのですが、このデッキは相手の攻勢に対して必要最低限の干渉しかしません(したくありません)。必然1ターンを争うダメージレースになりますので、さっさと《安堵の再会》で手札を補充し、火力を投げつけていかないとこちらのライフが先になくなってしまうのです。
ですので、もし先に《電招の塔》を置いてから他のカードをプレイする余裕があるのであれば投入したいカード、ということになりますね。ちなみにプレイした感想では、現状でも火力スペルは十分足りていますので「なくても勝てる」という印象です。
◆ 「《虚空の接触》」
結論から先に申し上げれば、必要ないと思われます。
現状でもゲームに勝てるだけの枚数は足りていますし、3マナ3点はマナ効率として良いとは言えません。このカードを投入するのであれば、量より質と申しますか、枚数を増やすよりは1枚の質を上げる方向で検討したいですね。
《カラデシュの火、チャンドラ》などは如何でしょうか。
前回【第21回:『黒赤マッドネス』】にて再評価を受けたカードで、除去されなければ1枚で5点はほぼ確定、《熱錬金術師》や《嵐追いの魔道士》が討ち取られたあとに送り込み、そのままターンが返ってくれば大体は勝ちをもたらしてくれるでしょう。
・・・考察は以上になりますが、今回で1つの区切りとなりますので簡単に途中経過を。
今回は優秀なデッキばかりですね(*-ω-)
今宵は長くなってしまいましたね。
次回は、1つ企画を行いたいと思っておりまして・・・またご協力頂けますと有り難く。
それでは、最後までご覧頂きありがとうございました(*_ _)
百人組手の人
0コメント