コラム:アグロ格付

 さて、今回は・・・


 少し日が開いてしまいましたが、現在までで環境に存在する著名なアグロデッキのほとんどをプレイしてきましたので、私的格付け(のようなもの)を行いつつ、それぞれのデッキにつきまして所感を述べていきたいと思います。


 ポイントは2つ。


● ①「《密輸人の回転翼機》対策」


 環境を席巻し、一部を除けばほぼ全てのデッキに投入されているだろう《密輸人の回転翼機》ですが、このカードは本当に強いです。


 回避能力を持つ2マナ3点クロックだけでも十分な上に、手札を循環させることまでできますので、放っておくと自動的に負けてしまいます。プレイした印象と致しましては、「許せて1回、最低でも2回攻撃される前には対処しないと不利は明白」かと存じますので、「後手3ターン目」=「3マナまでの対処手段があるかどうか」を基準にしていきたいと思います。


 (※)もちろん《密輸人の回転翼機》自身も《密輸人の回転翼機》対策になるのですが、そちらについては勘定に入れても仕方がないので考慮致しません。



● ②「《戦略の多様性》」


 戦略と言うよりは勝ち手段になりますでしょうか。


 あまりに多くの勝ち手段を入れ過ぎるとデッキがブレてしまうのですが、可能な範囲で勝ち手段は多ければ多いほど良いです。これが1つしかないと「対処される=負け」という事態になってしまいますし、【第3回:青赤LO】はまさにこの弱点を突かれて途中KOを喫しています。



 以上、2点を中心に見ていきたいと思いますが・・・

 その前に、「途中経過表」を再度添付しておきましょう。

(*-ω-):「赤い付箋が今回対象になるデッキですよ」


 それでは、始めていきましょう。

(※1)独断と偏見です

(※2)投入カードについては、一般的なリストを想定しています



◆ 第5位:『赤緑エナジー』


 残念ながら、『赤緑エナジー』が最下位です。


 まず、《密輸人の回転翼機》への回答が《蓄霊稲妻》しかないことが多く、大いに不安があります。それでなくともボードコントロールに乏しく、「回った=勝ち、回られた=負け」という大味なゲームになりやすいですね。

 

 さらに基本的な勝ち手段は「クリーチャービート」しかありませんので、こちらの「回った=勝ち」を潰されてしまう確率も高いです。【第19回】の考察と大体同じことを申し上げている気が致しますが、この路線を貫いても面白味はないと思いますので、例えば青をタッチするなどの変化に可能性を見出したいところです。




◆ 第4位:『赤青バーン』


 続きまして、『赤青』バーン。


 《密輸人の回転翼機》対策は、《稲妻の斧》《癇しゃく》に加えて《蓄霊稲妻》や《焦熱の衝動》をカウントできる場合もあり、これだけあれば一安心ですね。


 プランとしては「相手を火力で削り切る」ことと、一応「除去コントロール」のように振る舞うことも可能ではあるのですが、身を削って対処しているに等しく、概ね「出来の悪い除去コントロール」になって負けることが多いので、ほぼ「本体火力」1本と考えて宜しいでしょう。


 このデッキの1番の課題は安定性で、デッキ内のほとんどが本体火力スペルで構成されておりますので、序盤の動きが滞ってしまったり、ライフゲインカードなどで射程圏まで逃れられたりしますと一気に苦しくなります。ただ、嵌った時は非常に爽快感があるデッキですし、プレイしました【第22回】のリストからまだ先があるようにも感じました。




◆ 第3位:『白赤(黒)機体』


 意外にも、環境トップメタの機体デッキがこの順位です。


 理由と致しましては、まず《密輸人の回転翼機》対策が純正白赤ですと《蓄霊稲妻》のみ、黒をタッチしたバージョンで+《無許可の分解》と若干心許ないことが多いです。


 プランとしても『赤緑エナジー』と同じく「クリーチャービート」による決着を狙うしかありません。『赤緑エナジー』より優れている点としては、白赤らしくデッキの動きが安定していることでしょうか。しかしながら、その裏返しとして素直すぎる嫌いがあり、トップメタだけに確実に対策されているところもマイナスポイントです。




◆ 第2位:『白青フラッシュ』


 2位には現在の最高勝率、『白青フラッシュ』がランクイン。


 《密輸人の回転翼機》対策は、《神聖な協力》と《空鯨捕りの一撃》が投入されているリストが多いでしょうか。若干少ないのですが、《反射魔導士》《異端聖戦士、サリア》などで間接的に抑制することもできるため、一応は及第点ではあるでしょう。


 このデッキの最大の特徴は、「ビート」と「コントロール」2つのプランを両立させられる柔軟性で、「コントロールにはビート」「アグロにはコントロール」といった具合に使い分けることができ、それゆえにどんな相手に対しても簡単には負けにくいデッキになっています。


 1つ注意点と致しましては、アグロの中でも「攪乱アグロ」に分類されるデッキですので、実質的にはコントロールのようなプレイングを求められます。ですので普段アグロを使い慣れておられる方がプレイされる場合は、少し練習が必要かもしれません。




◆ 第1位:『黒赤アグロ』(マッドネス・バーン)


 堂々1位は『黒赤アグロ』デッキです。


 まず、《稲妻の斧》《癇しゃく》《無許可の分解》に加えて《ファルケンラスの後継者》も一応カウントできますので、《密輸人の回転翼機》対策は十分にあります。


 プランとしても、基本は「クリーチャービート」になるのですが、クリーチャーが止められたとしても、ある程度削ってさえいれば赤の特権「本体火力」モードでゲームを終わらせることができます。


 さらにこのデッキの長所は、《安堵の再会》《屑鉄場のたかり屋》《街の鍵》といったカードでリソースを補充することができますので、(アグロらしからず!)消耗戦にも強いところですね。


 【18回】【21回】と2度プレイ致しましたが、何れも好印象。アグロ同系戦にも強く、比較的プレイもしやすいと思いますのでおススメですね。もしも私がプレイするのであれば・・・全体除去へのリスクヘッジと戦略の多角化という理由から、より火力を重視したバーン型を調整したいですね!


 今回は以上になります。

 ご覧頂き、ありがとうございました(*_ _)


百人組手の人

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