それでは、考察を始めていきましょう。
今回は・・・まずは唯一負け越しとなりました「アグロ対策」について見ていきまして、その後依頼内容の「《潮からの蘇生》の可否」と「プレイ中に気になった点」を、最後に丁寧な考察を頂いておりました返礼と致しまして、「ピックアップカードレビュー」を行いたいと思います。
では早速「アグロ対策」をということになるのですが・・・
◆ 「アグロ対策」
今回のデッキでは、対アグロ相性の向上は難しいでしょう。
青単である以上できることには限りがありまして、例えば《霊気溶融》を増やすなどで僅かな効果を期待することはできますが、そのように致しますと対アグロの要である《氷の中の存在》の反転確率が下がり、「長期戦には滅法強い」というデッキの長所も若干損なわれてしまいます。ですのでここは目を瞑ってしまったほうがデッキとしての整合性は保たれるような気が致しますね。
強いて申し上げれば、「《電招の塔》を2枚にする」ぐらいでしょうか。
実はこのデッキの《電招の塔》はそこまで強くはありません。《電招の塔》が最も効果を発揮するのは除去スペルと連動した場合、すなわち「除去+《電招の塔》」というアクションなのですが、このデッキには起点となる除去がないからです。
しかしながら、このカードがないと対アグロが相当厳しいのも事実で、言わば必要悪的なカードになりますね。特にほぼ破壊されないであろう『黒赤マッドネス』戦などでは、3ターン目に置くことができれば非常に頼りになりました。
◆ 「《潮からの蘇生》の可否」
結論から申し上げれば、「あり」ですね。
全7回の勝因になっておりますし、「《水の帳の分離》経由の1ショット」にこだわらなくとも十分にゲームを決めるだけの力を持っています。また、受けるカードに乏しいこのデッキでは「クリーチャーが出る」だけでも有難く、中盤に3~4体程度のゾンビを展開して凌いだ、というゲームも何度かありました。
マナコストが6マナと重く序盤では一切仕事をしないカードですので、ディスカードを迫られた場合や《時間の把握》で捲れた場合は真っ先に切っていく候補になりますし、《氷の中の存在》とのアンシナジーもあるのですが、オプションとして投入しておく価値はあったかと思います。
◆ 「土地=26枚」
やはり土地は26枚がオススメですね。
主様考察では「フリーマリガンができるから25枚でも」と仰っておられましたが、コントロールの土地が多いのは「毎ターンセットランドしたいから」=「初手というよりもドローで土地を引きたいから」という意味合いが強く、第1のゴール:「4ターン目の《天才の片鱗》」にスムーズに辿り着くためにも、土地は26枚のほうが宜しいでしょう。さらに、
・4マナ: 6 ⇔ 5
・5マナ: 5 ⇔ 3
・6マナ: 3 ⇔ 2
左側が今回の『KLD青単パーミ』、右側が私の『エスパーコントロール』の投入比率です。
今回のデッキは『エスパーコントロール』よりもさらに重い構成になっておりまして、実戦でも「それ以外は全て完璧な手札から4枚目の土地を中々置けない」「5枚目の土地を置けず適切なタイミングで《疑惑の裏付け》をプレイできない」といったフラストレーションを感じる場面がありましたので、土地が多いに越したことはないように思いました。
ちなみに、ご指摘がありました「土地5枚&《時間の把握》+@」の初手。
こんな形でしたら私は即キープします。これは私が「土地が伸びないコントロールは一瞬で負けるため、スクリューよりはフラッドのほうがいい」と考えているためで、とりあえず土地の不安がない手札はキープしてしまいますね~(-。‐)y。このあたりの考え方の違いも面白いですね。
あとは、そうですね・・・ミシュラランドや飛行クロックを捌くのに苦労する時がありまして、マナベースとしては全く問題ないと思われますので《領事の鋳造所》など有用な無色土地を加えられても宜しいかもしれませんね。
ただ、【ALL《島》】も禍々しくも美しくて素敵だと思います(*-ω-)
それでは、最後に「ピックアップカードレビュー」をば。
◆ 「ピックアップカードレビュー」
・《ヴリンの神童、ジェイス / 束縛なきテレパス、ジェイス》
主様考察で「フィニッシャーその1」とされていたカードなのですが、デッキ紹介で完全にそのことが忘れられていたカードです(。-∀-);
これは単純に私が《神童ジェイス》をフィニッシャーとは考えていなかった、ということなのですが、実戦でも直接の勝因になったのは4回と少なかったですね。「除去されやすい」ことに加えて、現代の高速環境で「忠誠度を9まで貯めて奥義を発動したあと、ライブラリーを削っていく」というアクションが肯定される余裕は中々なく、主な用法は「+1」能力での露払い&囮で、《解明者ジェイス》を守るためのチャンプブロッカーとしても何度か活躍?してくれました。
彼をプレイされる場合の注意点としては、「赤マナが立っている状態ではキャストしない」ほうが無難ですね。概ね何らかの火力スペルが飛んでくることになりますので、《時間の把握》や《氷の中の存在》があればそちらから入り、せめてメインフェイズでマナを使わせるように致しましょう。
・《氷の中の存在》
今更あえて取り上げるカードでもないのですが、プレイ指針として。
《氷の中の存在》は、あくまで「アグロ受け&序盤の嵌めパターン用カード」として割り切り、中盤以降はプランから切っていってほうが良いように思いました。
というのも、【第4回:青赤クロック】でも考察致しましたが、このカードの信頼度はそこまで高いものではなく、序盤をフラットな状態で乗り越えられたのであれば、《輪の信奉者》や《奔流の機械巨人》、《秘密の解明者、ジェイス》のほうがはるかに安全で決定力も高いからです。
加えてもう1点、守らなければ勝てる見込みがないという状況ではない限り、このカードを守らないほうが良いです。前述の通り、オールインするには不安が残るカードですし、クリーチャーを守るためにカウンターを使っていては本体を守り切れませんので、「へぼ将棋、王より飛車をかわいがり」みたいなことにならないように気をつけましょう(。-∀-);
・《腹黒い意志》
「対象変更」モードで使用したのは2回程度(《無許可の分解》と《苦渋の破棄》)でしたので、やはり「重いが最低限の仕事はする確定カウンター」という評価は変わりませんでしたが、こちらも用法的な意味でのご紹介を。
主様も仰っておられましたが、対象変更は「打ち消す」わけではないので魔巧した《極上の炎技》を《腹黒い意志》で相手に弾き返すことができます(。-∀-)b
しかしながら「対象変更」ですので、そもそも対象を取っていない呪文の対象を変更することはできません(-ω-;)
《安堵の再会》や《天才の片鱗》など、ドロースペルの多くは対象を取っておらず、対象変更モードを選択しても何も起らず相手にカードを引かれるだけになりますので、確実に「打ち消し」モードを選択するように致しましょう。
面白いのは今回使用しました《比較分析》ですね。
このカード、ドロースペルには珍しく対象を取りますので《腹黒い意志》で変更することができるのです。人の性とは面白いもので、実戦中は青相手に《比較分析》を唱えるたびに「まさか《腹黒い意志》されないだろうな…」とビクビクしながらプレイしていました(。-∀-) ;
・《疑惑の裏付け》
φ(-_@):「決まり手:メンタルブレイク」
このカードは素晴らしかったですね。
カウンターしたあげくに実質カードを3枚引くのですから弱いわけがなく、影の勝因となったゲームも多かったように思います。
特に強烈なのが《奔流の機械巨人》とのコンボでしょう。
今回は《疑惑の裏付け》が2枚投入されていたこともあり、発動できることも多かったのですが、「2枚カウンター&6ドロー&5/6のおまけ付」なのですから文字通りの爆アドバンテージ。食らった相手のほとんどがそのまま投了していく様は、さながら【青いコジレックリターン】とでも表現するほどの強力さでした。
5マナというコストの元は確実に取れていると思いますので、青いコントロールを使うのであれば1枚は入れたいカードですね(。-∀-)b!
・《慮外な押収》
φ(-_@):「このカードは《不実》(※)ではないね」
最後に、今回唯一浮いていた(と思われる)カードです。
《慮外な押収》、このカードをプレイしたのは100戦を通して3回程度でした。奪う対象もほとんどが5マナ未満になると思いますのでテンポとして損、何より『パーミッションコントロール』としては中盤以降に勝てるわけでもないカードにメインで5マナも使いたくないのですよね。このカードを使用するのであれば別のアーキタイプを考えるか・・・
《潮からの蘇生》のお供、《瓶詰め脳》を用いてみても面白いかもしれませんね。
全く違う形での構築を考える必要があるとは思いますが、物凄く悪さをしそうなことが書いてあるのに未だ陽の目を見ていない・・・そういったカードには心くすぐられますよね(*-ω-)!
(※)《不実》
90年代後半の青単パーミッションデッキ、『ドロー・ゴー』を支えた1枚。
悪名高い「フリースペル」の1枚で、書いてあることは「クリーチャー1体のコントロールを得る&あなたは土地を5つアンタップする」=実質タダ同然のオーラ呪文。
今回は以上になります。
ご覧頂きありがとうございました(*_ _)
百人組手の人
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