第26回:緑白青《濃霧》アグロ③(考察)

 それでは、考察を始めていきましょう。

 

 今回は、ご依頼内容の「《亢進する亀》or《フェアリーの悪党》」から始めまして、最後に気になった点について見ていきたいと思います。



◆ 「《亢進する亀》or《フェアリーの悪党》」


 それぞれの50戦使用勝率にはそれほど差はないのですが(《亀》29勝・《フェアリー》31勝)、結論から申し上げれば【《フェアリーの悪党》】です。理由と致しましては・・・


・《密輸人の回転翼機》に搭乗できる

・ 一応飛行クロックである

・ 2枚目を引くことに意味がある


 ですね。

 《亢進する亀》は1度は攻撃しないとパワーが0のままですが、《フェアリーの悪党》であれば戦場に出た瞬間から《密輸人の回転翼機》に搭乗することができます。さらに回避能力も持っていますので気がつけば3点~4点ぐらいは削ってくれていることもありますし、ささやかですが2枚目以降のドローも嬉しいですね。


 というよりも・・・


 エネルギー補充源のない《亢進する亀》は恐ろしく弱いですね(-ω-;)

 期待値1/4、たまに2/5になってもその程度の壁如き易々と突破されますし、クロックとしてはもっての外、大体のゲームで「1マナ:ほぼ何もしないエンチャント」と化しておりましたので、このカードを投入するのであれば継続的な成長が期待できる『青緑エナジー』などでの運用になるでしょう。


 

 以上から、この2択であれば断然《フェアリーの悪党》ということになるのですが・・・ 

 実は私は《フェアリーの悪党》についても懐疑的です。


:クロックとしては最低でも2点、できれば3点以上欲しい中で1点というのは戦力としてあまり期待できず、固め引きさせられると苦戦は必至


 【第8回:白青クロック】で使用致しました《倒し霊》《エルドワルの照光》への考察なのですが、やはりパワー1は(何らかの強力な能力でもない限り)クロックとしては物足りないと言わざるを得ません。


 マジックの歴史を振り返りましても、《敏捷なマングース》《秘密を掘り下げる者 / 昆虫の逸脱者》、そして《密輸人の回転翼機》など、クロックを支えるクリーチャーは3点以上の打点があるものが多いですし、1ターン目に無理してクリーチャーを出すよりは太いクロックを重視したほうが宜しいように思いました。



 続きまして、気になった点についてです。



◆ マナベース


 端的に《島》が多すぎました。

 (裏を返せば《平地》と《森》が少なすぎました)


・(白)10

・(青)16

・(緑)08


 こちらが今回のデッキのマナベースなのですが・・・


 まず、白マナは主戦力である《無私の霊魂》《呪文捕らえ》などのために早いターンから必要になりますし、中盤以降には《ゼンディカーの同盟者》《大天使アヴァシン》で(白)(白)を要求されることになります。以上をタップイン込の10枚でこなすのは中々難しかったですね。


 緑マナに関しても、8枚では適切なターンに《濃霧》や《顕在的な防御》を構えられないことも多く、+《森》が2枚しか投入されていないために《巨森の予見者、ニッサ》の反転にも苦労しました。


 以上から、もう少しマナベースの再構築が必要ですね。

 カウントしておけば良かったと思ったのですが、実は前回の『二代目バントアグロ』以上に色マナ事故に巻き込まれることが多く、結構なゲームを「一色絶ち」状態で戦っていたようにも思いますので、特に動きの核となる(白)マナベースは確率論として15枚程度は必要でしょう。



◆ 「搭乗員(打点)不足」



 《密輸人の回転翼機》に搭乗できるクリーチャーが少なすぎました。

 3マナ以下のクリーチャーは15枚なのですが、うち《亢進する亀》と《ヴリンの神童、ジェイス》はパワー0、さらに《呪文捕らえ》と《反射魔道士》は能動的に出したいクリーチャーではないので、それらを差し引きますと・・・


 何と無条件で搭乗できる軽量クリーチャーが5体しかいなかったのです。

(《フェアリーの悪党》型で9体)


 これはさすがに少なすぎましたね。

 元々クリーチャーの線が細く、ミッドレンジ以降のデッキに苦戦していたこともありますので、もう少し打点を向上させる方向で考えてみると致しまして、すぐに思いつきますのはやはり『白青フラッシュ』、あるいは・・・リストを拝見するに「相手の裏をかく」プレイを好まれているように感じましたので、主様の趣向を鑑みますとむしろ『白青スピリット』型でしょうか。


 元のクリーチャーベースはほとんどそのままに、《鎖慣らし》《往時の主教》《ネベルガストの伝令》などを加えるだけですし、


 《本質の変転》や《呪文萎れ》などでトリッキーな動きができるデッキですので、プレイスタイルにも合うのではないでしょうか。


 4枚の《濃霧》と極僅かなカードのために投入されている緑を切ってしまえば、負担がかかっていたマナベースもかなりの改善を図ることができますね。カラーリングにこだわりがなければ1度お使いになってみて下さい(*_ _)。


 その場合・・・

φ(-_@) :「こいつ強いからねぇ」

(*-ω-):「緑の要素なくなってる気がしますよ!」


 是非試して頂きたいのが《老いたる深海鬼》ですね。

 MTGで投入されているリストを見たことがあるのですが、2枚程度ならばそこまでマナベースに負担もかけませんし、エンドカードとしての破壊力は抜群、クロック⇒詰みの一手としてこれほど強力なカードは他に少ないでしょう。


 今回は以上になります。

 ご覧頂きありがとうございました(*_ _)


百人組手の人

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