コラム:マルドゥ機体(AKH)


 さて、今回は・・・【マルドゥ機体】を取り上げます。


 MTGスタンダードを席捲し、長らく"最強"と目されているデッキタイプにして、当ブログで取り上げるのも実に3回目になりますね。5/13日(土)に開催される「第弐回百人組手杯」前の公開となりましたのは、「『マルドゥ機体』には勝たせない」という主催の意志の表れということで(。-∀-)、仮想敵として想定頂ければと存じます。


 それでは、まずは簡単に基本方針から。

 前回の『マルドゥ機体』では、できるだけMTGスタンダードに似せるために《アクロスの英雄、キテオン》や《ボーマットの急使》といった"細い”カードを投入していましたが、無理に速攻に寄せるよりも肉厚なカードでプレッシャーをかけるほうが手応えが良く、今回は【カードパワー重視】で構築することにしました。


 主役は以下の2枚です。


・《栄光をもたらすもの》

(。-∀-):「強い!カッコいい!ドラゴン!!」 

  スポイラーリストを見た時からめちゃくちゃ強そうだと思っていて、使ってみたくてたまらなかったカード。飛行&速攻の4点+4点は伊達ではなく、『マルドゥ機体』においては《領事の旗艦、スカイソブリン》に取って代わられるのではないでしょうか。「Glorybringer」という英名までカッコいい ← 重要(*-ω-)



・《耕作者の荷馬車》

φ(-_@) :「コイツに何度やられたことか…」

 コントロールで相手側を持っていて、対『マルドゥ機体』戦において1番対処に苦労したカード。3マナで出てくる癖に5点クロック、かつ《致命的な一押し》に引っ掛からず、さらに火力1枚では落とせないタフネス・・・自分が使う側に回るのであれば「絶対に2枚入れてやろう」と思っていました(。-∀-)


 では本題に入っていきます。

 まずはデッキリストをご覧下さい。



◆ デッキリスト

 先週のフライデーでご意見を伺いながら調整したリストです。

 今回もパーツ別に分解して、私論とともにお話していきます。



◆ マナベース


 まずはマナベースから見ていきます。

 というのも、①「バグレベルの強さを持つ機体」②「最強除去である《無許可の分解》」③「最強PWである《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》」を同時多発的かつ最も有効に使えるのが『マルドゥ機体』というデッキですので、マナの問題さえクリアできれば是即ち最強=最適なマナベースを構築することが最大の課題であるからです。


【投入目安:23~25枚】

 枚数自体は構成によって変わりますので何とも言えませんが、基本23枚で重くなるに連れて枚数が増えていきます。今回は2枚の《耕作者の荷馬車》を土地1枚に換算して24枚、マナソースの割合は[白]15[赤]13[黒10]です。「この選択で最適なのか?」と問われると返答に窮するところなのですが・・・特徴が1点。


■φ(-_@) :「ミシュラランドの不採用」

 《乱脈な気孔》と《鋭い突端》ですね。

 当初は投入していたのですが、フライデーの際に「ミシュラランドは攻撃していますか?」というご指摘がありまして、言われてみれば元々マナに余裕のあるデッキではなく、《歩行バリスタ》《ピア・ナラー》《模範操縦士、デパラ》など余ったマナでやりたいことも多いデッキですので、ほとんど起動した記憶がありませんでした。


 もちろんあるに越したことはないのですが、ファストランドのないMDで序盤のアンタップインに苦労する中、これらの土地を加えてしまうと確定タップインを2枚増やすことになってしまいますので、最終的に「タップインリスク>攻撃できるメリット」を選択することに。色マナのタイトなデッキですので、攻撃して《致命的な一押し》されようものなら最悪ですしね(-ω-●)



◆ クリーチャー


【投入目安:20枚以上】

 少なすぎると機体の乗り手がいないという悲しい事態が起こりますので、20枚未満にすることはお薦めしません。とはいえ概ね定番の構成が決まっているとは思いますが、今回は「全ての機体に搭乗できるパワー3以上」を中心に選択しています。以下、フライデーで議論になったクリーチャーについて取り上げます。


■φ(-_@) :「《歩行バリスタ》は必須」

 アーティファクト兼クリーチャーという便利なクリーチャーとして、そこまで深く考えずに投入されている方もおられるかもしれませんが、このクリーチャーはマルドゥ同型戦の鍵を握っています。何度か同型対決をやってみたところ、「バリスタゲーム」になることが多かったので、きっちり2枚投入しておきましょう。



■φ(-_@) :「《ピア・ナラー》>《飛行機械技師》」

 フライデーで質問があったクリーチャーです。

 相手方としてキャストされると結構プレッシャーを感じるのですが、まず通常各種機体は《飛行機械技師》より先にキャストするものですので、速攻付与能力はあまり活きません。そして何より単独で《キランの真意号》《耕作者の荷馬車》に搭乗できない点が大きく、このクリーチャーを運用するのであれば、アーティファクトや機体にもっと寄せたデッキが宜しいでしょう。



■φ(-_@) :「ドラゴンはドラゴンを倒せない」

 主役ですのでもう1度ふれておきます。

 実は片方の主役である《耕作者の荷馬車》とシナジーにもなっていて、「3T:《耕作者の荷馬車》 ⇒ 4T:《栄光をもたらすもの》」という強烈なジャンプアップアクションを展開することができます(。-∀-)


 ただ、1点注意事項として・・・テキストに「ドラゴンでないクリーチャー」という一文がありますので、《栄光をもたらすもの》で《栄光をもたらすもの》を倒すことはできません。今後やらかしが増えそうな事案ですので、この機会にしっかり覚えておきましょう(私も)。



◆ 機体


【投入目安:6枚以下】

 機体を入れ過ぎると「機体ばかり引いてしまう」という事故が起きてしまいますので、多くても6枚以下に留めておくのが宜しいでしょう。といっても、3枚は固定+@に何を選ぶのかというところだと思いますので、その点について述べておきます。


■φ(-_@) :「《耕作者の荷馬車》>《霊気圏の収集艇》」

 どちらも実質呪禁を持っているような優秀な機体ですが、相違点は《耕作者の荷馬車》は自身のデッキを純粋に強化するカードであるのに対し、《霊気圏の収集艇》は環境へのメタカードであるという点です。「どちらを選ぶべきか?」となると甲乙つけ難く、私もフライデーまでは1:1での投入を検討していたりしましたが、今は確信を持って《耕作者の荷馬車》を選択するようになりました。


 理由としては2点。

 決定的な理由は「単純な打点力」で、3点でもクロックとしては十分なのですが、5点のクロックともなると桁違い、フィニッシャークラスの打点になりますのであっという間にゲームを決めることができます。また、マナがタイトな『マルドゥ機体』にとって好きな色マナを確保してくれるというのも有難く、総合的に見て《耕作者の荷馬車》のほうがデッキに嵌っているように思いました。


 それでも《霊気圏の収集艇に》に惹かれる方はこう考えてみて下さい。


(*-ω-):「あなたが欲しいのは《密輸人の回転翼機》ですか?」

(*-ω-):「それとも《現実を砕くもの》ですか?」

(。-∀-):「もちろんスマッシャーです!」



◆ 除去


【投入目安:8枚程度】

 コントロールデッキではないので除去は8枚程度を推奨します。除去を引き過ぎて「除去コン」状態になってしまった『マルドゥ機体』は弱いので、今回もきっちり8枚です。お気づきかもしれませんが、リストの最大の特徴はこの部分にありますので、詳しく解説していきたいと思いますが、まずは簡単にカード選択をご説明しておきます。


・《苦渋の破棄》

 単純に4枚目の《無許可の分解》です。

 同系統のカードとして《排斥》がありますが、[白黒]が使えるカラーリングで私が《苦渋の破棄》より《排斥》を優先させることは絶対にありません。それぐらい確定追放なのか、戻ってくる可能性があるのかは差があると思います。



・《木端+微塵》

 「アモンケット」の新作より。

 4枚目の《蓄霊稲妻》+最後の数点を削り切ることができる優秀な1枚(2枚?)ですが、加えてMDでは一定以上の愛好家が存在するLOに対してのアンチカードという側面もあります。但し、前のめりなデッキに入れてもX=2ぐらいでしか打てずイマイチなので、このカードを効果的に運用するためには、ミッドレンジよりのデッキでX=4以上を確保するようにしたいですね。



■φ(-_@) :「《致命的な一押し》の不採用」

 最大の特徴です。

 「なぜ環境最良の除去を採用しなかったのか?」と申しますと、冒頭の「マナベースの問題」です。このデッキはすでに早いターンに[白赤]を要求しており、ここに《致命的な一押し》まで投入してしまうとほとんど均等3色のようになってしまい、そのようなマナベースをファストランドなし・タップインなしで構築することは現実的ではありませんでした。


 また、元々『マルドゥ機体』は《霊気拠点》にかける負担が大きく、「霊気切れ」状態が結構な頻度で起こってしまうので、《致命的な一押し》よりも霊気を補充できる《蓄霊稲妻》を優先させることにしました。



◆ PW


【投入目安:X】

 ここは個性が出るところでしょうか。今回は《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》と《先駆ける者、ナヒリ》の2枚を選択致しましたが、とりあえず《ギデオン》だけ忘れずにいれておけば問題ないでしょう(-ω-●)。《ナヒリ》を投入した理由は、①忠誠度が高く後手でもキャストしやすい、②汎用性に優れる、③奥義で「ドラゴンシュート」したいから!ですね(。-∀-)


 他、1番に候補に挙がるのは《反逆の先導者、チャンドラ》でしょう。

 今回は4ターン目に[白白][赤赤]を両立させられるのか不安だったのと、私自身が彼女をあまり巧くプレイできないので見送りましたが、カードパワーは十分だと思いますので投入されても宜しいでしょう。



 ・・・本編はここまでになりますが、最後に疑問が1点。


■ φ(-_@) :「1マナクリーチャーは両方必要なのか?」

 《模範的な造り手》と《発明者の見習い》ですね。

 特に《発明者の見習い》はアンタップインの[赤]マナソースが7枚しかない現状では1ターン目のプレイ期待値が低く、また単独でパワー3を満たしてもいません。この2枚を同時に運用するためにマナベースが窮屈になっているようなものですので、どちらかを外すことができればより無理のないデッキになるかもしれません。


 今回は以上になります。

 次回のコラムは「別の機体アグロ」を取り上げます。(近日公開)

 ご覧頂きありがとうございました(*_ _)


百人組手の人

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