第弐回百人組手杯:決勝戦


◆ terra『ボロストークン』 vs Spicy『バントコントロール』


 第弐回百人組手杯、決勝卓に座るのはこの2人。


 先程のフィーチャーでmaoを下したterraに対し、Spicyは本人曰く「大激戦でした」と語る前回王者yamameとの激闘を制してここまで勝ち上がって来た。


 実はこの両者は予選1回戦でも当たっており、結果はSpicyが2連勝で勝利を収めている。


 確かに、ミッドレンジ域のカードが多く初速はそれほど速くはない『ボロストークン』は、Spicyの『バントコントロール』に時間的猶予とカウンターを構える余裕を与えてしまいがちで、不利は否めないといったところだろうが、しかしゲームは何が起こるかわからない。


 そう、「コントロールの土地が止まる」こともあるのだから。



● GAME1


 先手はSpicy。

 幸先良く《アクロスの英雄、キテオン》をキャストしてきたterraに対し、《進化する未開地》から《エルフの幻想家》をキャスト、アタックを許さない。


 さらに《巨森の予見者、ニッサ》で地上を固めるSpicyに対し、terraは《飛行機械技師》×2・《ピア・ナラーとキラン・ナラー》を連打、ソプタートークンを量産して空に活路を見出す。


 さらに《発明の天使》をキャストし一気に攻勢をかけようとするterraだが、これにはさすがにSpicyから《呪文萎れ》が飛ぶ。


 ここで不自然なのは、先程からSpicyが《実地研究者、タミヨウ》の能力を「自分のクリーチャーに使い、アタックを仕掛け続けている」点だ。


 ふと見ると戦場に白マナソースは1枚。

 てっきり《悲劇的な傲慢》のための2枚目の白マナを探しにいっているものだと思っていたのだが、戦後に伺うと「《悲劇的な傲慢》を必死で探していました」とのこと。ということは、すでに2枚目の白マナは手中にありながらあえてセットランドせず、「[白白]を濃くしないことで全体除去の気配を隠していた」ことになる。つくづく小憎らしい。


 カードを引き続けるSpicy。

 さすがにこれだけ引けば何かは当たるはず・・・とここでこれでも良かった《石の宣告》をドロー、ソプター軍団を一掃。


 さらに7マナに到達し《巨森の予見者、ニッサ》が《精霊賢者の賢人、ニッサ》に変身、terraの《スラムの巧技》には《疑惑の裏付け》を合わせ、確実にアドバンテージを重ねていく。


 苦しくなってきたterra。

 《信義の神オケチラ》を囮に《密輸人の回転翼機》を通し、《飛行機械技師》の速攻付与から《タミヨウ》と《ニッサ》を葬るビッグアクションをつくりだすが、Spicyは《ムラーサの胎動》から《ニッサ》にもう1度PWの灯を灯し《種子の守護者》を追加、空もガッチリ固めていく。


 Spicyの防衛網を突破できないterra。虎の子の《負傷》も使い強引に打開をはかるものの、《奔流の機械巨人》から《ムラーサの胎動》がバイバックされるのを見て、GAME2へ臨むことを選択した。


Spicy 1-0 terra



 コントロール特有の…いや自身特有のと言うべきか、いやらしさを存分に発揮してGAME1に勝利したSpicy。ちなみにアバターは「南国風の男」なのだが、肩に乗っているオウムまで忌々しいように見えるのは気のせいだろうか。



● GAME2


 先手はterra。

 《名誉ある門長》からスタートし、2回攻撃したところでSpicyは4枚目の土地を置けず《反射魔道士》。


 土地事故だ!


 terraは好機とばかりに《発明の天使》を通す。トークン1体は《再利用の賢者》されるも飛行クロックとロードを突きつけてSpicyに迫る。


 続けてキャストされた《アクロスでの武勇》には《本質の変転》からの《再利用の賢者》、さらに《ムラーサの胎動》から《反射魔道士》を再キャスト、と粘るSpicyだが思うように土地が伸びず苦しい展開。


 返すターン、今度は《威厳あるカラカル》を追加するterra。

《発明の天使》が戦場にいる現状ではゲームを決定付ける1枚だが、Spicyは返しに《悲劇的な傲慢》、ギリギリの防戦で耐える。


 しかし、terraのリソースは途切れない。

 《スラムの巧技》でトークン×3を生成し即座に戦線を復旧、さらに《ピア・ナラーとキラン・ナラー》を追加してゲームを決めにいく。


 Spicyの《大天使アヴァシン》が懸命に主を守るものの、面展開と本体火力モードは如何ともし難く、『ボロストークン』が誇る強力カードを連打し続けたterraがそのままGAME2を奪取。


 優勝の行方は3本目に縺れ込むこととなった。



● GAME3


 先手Spicyの初動は《ヴリンの神童、ジェイス》。

 ルーター能力により土地事故の危険はほぼ解消されたといって良く、一安心のスタート。


 返しにterraから《ハンウィアー守備隊》。Spicyは《実地研究者、タミヨウ》をキャスト ⇒ タップ能力でこれを封じ込めにかかる。


 《タミヨウ》を早めに何とかしておきたいterraだが、ここでのキャストは即効性のない《アクロスでの武勇》= 次のターンから《タミヨウ》が自由に能力を起動できるようになる。


 次のターンにSpicyから《不屈の追跡者》が追加されるのを見たterraはゲームを急ぐことを選択。《嘲笑》から《ハンウィアーの守備隊》+トークン×2でアタック!。《不屈の追跡者》がチャンプブロックにその身を投げ出すも、《アクロスでの武勇》も合わせて一挙12点のダメージ!。準決勝でmaoを葬った強烈なコンボだ。


 しかし、ターンが返って来たSpicyは冷静にトークンに《石の宣告》、《反射魔道士》で《ハンウィアー守備隊》をバウンスするとともに、《ヴリンの神童、ジェイス》を《束縛なきテレパス、ジェイス》に変身、と鉄壁の防衛網を築いていく。


 戦線を突破すべく《発明の天使》をキャストするterraだが、Spicyはこれに《ジェイス》フラッシュバックからの《石の宣告》で再度トークンを一掃し、さらに《巨森の予見者、ニッサ》をキャストし即変身させる。


 強力なPWが3体並んでしまい、terraは苦しい状況だ。

 ボードの優位を確立されてしまっている今、勝機があるとすれば残り8点のライフをspicyから削り切るしかない。強力なクロックとなる《威厳あるカラカル》をキャスト、これが通り一縷の望みが残されたかに見えたが・・・


 ここでSpicyは《もう一人の自分》X=4!

 もちろん対象は《威厳あるカラカル》。絆魂付の猫トークンをばら撒き返すとともに、相手より大きなボス猫を獲得するビッグムーブ。前回大会でも魅せたSpicyマジックが炸裂する。


 これで地上の攻撃は通らなくなってしまったterra、だがまだまだ諦めない。《信義の神オケチラ》《ハンウィアー守備隊》と追加し《発明の天使》で空からアタック ⇒ 2点のダメージを与えてSpicyの残りライフを6点まで減らす。《アクロスでの武勇》と合わせて次のターンに勝負を懸けるつもり・・・


 だった。


 次のターン、spicyから放たれたのは希望を打ち砕く《悲劇的な傲慢》。

 Spicyには7/7のボス猫・terraには1/1の猫トークンが残される。どこまで性格が悪いのか、絶対画面の前でほくそ笑んでいるに違いない(※コントロールにとっては褒め言葉である)。


 戦線を崩壊させられてしまったterra、最後の抵抗とばかりにコピー《威厳あるカラカル》を《石の宣告》するものの、実はこれまでの攻防の中で、Spicy勝利のクロックが密かに時を刻み続けていた。


 《精霊信者の賢人、ニッサ》奥義 発動。

 勝利を祝うかのような土地達の咆哮とともに、Spicyが【百人組手杯】第二代王者に輝いた。


Spicy 2-1 terra

Spicy Win & 2nd.Champ 



 前回大会は『スゥルタイコントロール』で上位に入賞し、そして今大会も独創的な『バントコントロール』で戴冠を果たしたSpicy。今後、当ブログでは彼がつくりあげるオリジナル『Spicy コントロール』デッキを、スーパーコンピュータならぬ【スパコン】と呼ばせて頂くことにしようと思う。


 おめでとう、Spicy!


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