第5回:4CPWS③(考察)

 それでは、はじめていきましょう。

 (※)結果につきましてはこちら



- 考察 -

 まずは、敗因分析です。

(1)カードが弱い


(*-ω-):「PW強いじゃないですか!」

φ(-_☆): 「それ以外の部分だよね」


 これに尽きる、と言ってしまっても宜しいかもしれません。

 4色の割にはデッキパワーがそこまで高くありませんでした。《ギデオンの誓い》や《森のレインジャー》といったカードはカードパワーが高いとは言い難く、強いカードはほとんどPWや除去に集中しています。これが何を意味するかと申しますと、MTGの基本たる「コンバットの弱さ」に繋がり、引いては【ミッドレンジ】相手には決めきれず、【ランプ】や【コントロール】相手には攻められない、と言ったような「打点不足」を引き起こしていました。

 ですので、もう少し強いカードを投入したいところですね。



- 注目 -

(?)《森のレインジャー》

 

 結論から申し上げれば、アクションとして「非常に弱い」と感じました。

 「土地をサーチできるクリーチャー」と言えば聞こえはいいのですが、1/1がボードに影響を与えるわけもなく、攻めにも守りにも役に立ちませんでした(-ω-;)。2枚以上引かされた場合はほとんど苦しい戦いになっていたような気が致しますし、中盤以降の勝負所でトップから顔を出す彼女には冷たい笑いを差し向けざるを得ません(-ω-●)

 ですので、投入するとしてもデッキの補完として1~2枚程度に留めておくのが宜しいかと存じます。


 もし投入するのであれば…

 

 これら所謂「サクリ台」を用意してあげてはいかがでしょうか(。-∀-)?

 一仕事終えたあとでも「リソース」としての活躍が期待できますし、特に《天使の粛清》は「誓いシリーズ」も多く投入されたこのデッキであれば《忘却の一撃》の上位互換として機能するでしょう。「誓い」を生贄に捧げると半分の能力は失われますが、相手の危険なカードを排除できるのであれば安い買い物です。エンチャントを対象に取れるところも〇。



(1)《ニッサの誓い》


φ(-_☆):「はじめ最後の効果忘れかけてたよね?」

(*-ω-):「それは言わない約束です!」


 実戦前の注目カードですね。

 序盤から終盤までいつ引いてもOK、無駄になることがない汎用性に優れたカードでした。1マナと軽いことも優秀ながら、特に最後の「PWを好きなマナで出せる」効果は【PWS】には非常に有り難く、まさにこの1枚と言ったところでしょう。


φ(-_☆):「最後のマナサポート効果を忘れないように。」



(2)《先駆ける者、ナヒリ》


 「7人のPW」の中でも一際目を引いた1枚。

 「ドロー補助」「除去」「フィニッシャー召喚」と脇役~主役まで1人でこなすことができる汎用性に優れたカードでした。デュエルズ環境ですと「シュート」するボールが若干不足している印象はあるのですが、それでも《保護者、リンヴァーラ》《巨森の予見者、ニッサ》《ムラーサの緑守り》などを呼び出せば十分に強力な動きです(まぁそのうち来るでしょう、「あいつ(●▾●)」が)。こちらもエンチャントを破壊できるところが〇ですね。


φ(-_☆):「 +2能力は「カードを捨てなくても起動できる」からね。

     毎Tちゃんと忠誠度をあげること。」



(3)《放浪する森林》


 第2回に続き、堂々2回目の御登場。

 実は、このデッキのベストムーブはPWではなく「第4T:《放浪する森林》」であったかもしれません。いかなるデッキであろうとも「4T目に出てくる6/6トランプル&警戒」は脅威ですので制圧力はピカ一でしたね。特に対【PWS】や【ランプ】相手には鍵となる1枚。



- 調整(案)-

 それでは、恐縮ながら調整案を。

 ポイントは2つ、①「マナベース」と②「打点の確保」でしたね!


● マナベース

 マナベース調整の指針は「土地で出来ることは土地に任せたほうが良い」になります。

 投入できるスペルの数には限りがありますので、できるだけ厳選したいですよね。


・OUT 4《森のレインジャー》

・IN  4《進化する未開地》


 実戦前の注目ポイントでしたが、やはり《進化する未開地》でしょう。

 重要なのは「基本土地を何T目にサーチできるか」で、《進化する未開地》であれば1Tにサーチできるのですが《森のレインジャー》であれば2T目です。アンタップインを基本地形に左右される特殊土地を多く採用するこのデッキではその差は大きく、それが20回(40%)に及んだマナトラブルの一因になっていました。

 最悪の場合、「2T目までタップイン⇒3T《森のレインジャー》」というような動きを強いられることもありましたし、2T《森のレインジャー》というアクション自体も決して強いとは思えないので、差し替えてしまって宜しいのではないでしょうか。



・IN 数枚「ミシュラランド」


 《乱脈な気孔》《鋭い突端》《風切る泥沼》の3種類ですね。

  「タップインが気になる」ということで《風切る泥沼》1枚しか投入されていなかったのですが、「土地でありながらクリーチャーとしても働ける」汎用性に優れたカードですし、「《森の代言者》&ミシュラランド」は【コントロール】相手に決定打になることもある非常に強力なパッケージですので出来るだけ投入しましょう。

 感覚では「2枚~4枚まで」は入りうると思われるのですが、白と黒が濃い構成、そして【アグロ】相手への貴重なライフ回復源となる白黒の《乱脈な気孔》は2枚投入してしまって問題ないでしょう。残りはタップインが気にならない程度に調整してみて下さい(*_ _)



・IN 2《死天狗茸の栽培者》

 貴重なマナクリーチャーです。

 色マナの安定もさることながら、「パワー2」と(昂揚で)「接死」能力を持っておりますので、序盤から終盤まで活躍が期待できる汎用性に優れた1枚。

 特筆すべきは「3T目の4マナカードキャスト」を可能とさせる点で、「第3Tの《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》や《放浪する森林》」は非常に強力なアクション、特に対【ランプ】相手には「早い段階でのプレッシャーを狙っていく」ことが基本筋になりますので、1手早いこと即ち勝敗を分かつことになるかもしれません。



● 打点の確保

 続きまして、打点の確保です。

 デュエルズ環境では、総じて受けるデッキよりも攻めるデッキのほうが結果を残していることが多く(百人組手通算でもそうですよね)、PWへの回答も少ない環境ですのである程度の打点を確保しておくことは重要です。=「単純に強いカードを投入する」なのですけどね(*-ω-)

 以下、(ざっとですが)各色の候補を挙げていきます。


・《不屈の追跡者》


 現環境を席巻する1枚。

 アドバンテージ~打点まで…1枚でこなしてしまう汎用性に優れたカードです。《進化する未開地》との相性が良いのも〇。除去できなかったらゲームにならないぐらいただ強いのでこれは入れましょう!


φ(-_☆):「除去が多いデッキには「わざと4T目に出す」ことも考えるように。

     すぐに土地を置けばドロー1枚を確保できるからね。」



・《アーリン・コード》


 選から漏れた8人目のPW。

 「クリーチャーが少ない」とのことで外されたと拝見しましたが、「+0」能力でトークンを出すこともできますし「+1」能力はビートプランをサポートしてくれるでしょう。裏面の「+1」能力でボードにも干渉できたりと汎用性にも優れておりますので、4T目のアクションとして十分に強力ではないでしょうか。



・《大天使アヴァシン》

・《ゲトの裏切り者、カリタス》


 それぞれ各色を代表するクリーチャーです。

 《大天使アヴァシン》ならば「飛行」と「瞬速」を活かした対【PWS】での活躍が、《ゲトの裏切り者、カリタス》ならば「絆魂」を活かした対【アグロ】での制圧力が特に期待できるでしょう。


 以上、これらは何れもカードパワーは申し分のないカードかと存じます。

 「各色の強力なカードをプレイできる」ことは多色の最大の長所でありますので、こういったカードは(デッキが許す限り)ガンガン入れていきましょう(。-∀-)



● 微調整

 最後に【アグロ】と【PWS】への対策を少し挙げておきますね。


・【アグロ】対策 ⇒ 《ムラーサの胎動》


 第2回【白黒緑ミッドレンジ】で活躍したカードですね。

 【赤系アグロ】戦での負けパターンの多くは「盤面を制圧したのにも関わらず火力でトドメを刺される」…すなわち「ライフゲインカードが少ない」ことに原因がありましたので、ならばそういったカードを追加すればより安全にゲームを進められるようになるでしょう。

 また、遅いデッキとの対戦でもクリーチャーを補充したり《進化する未開地》を回収して《不屈の追跡者》の能力を誘発させたり…と汎用性の高いカードですので、1~2枚差しておけば良い働きをするのではないでしょうか。



・【PWS】対策 ⇒ 《悲劇的な傲慢》


 対【PWS】を意識するのであれば、《次元の激高》を《悲劇的な傲慢》に差し替えてしまうのも一案です。

 イメージとしては【アグロ】耐性を若干下げる代わりに他への耐性をあげる、でしょうか。PW複数によるマウントを返す手段になり、《絶え間ない飢餓、ウラモグ》への対抗手段も増えますので気休め程度になりますが対【ランプ】への耐性も増します。地味ですがエンチャントやアーティファクトを受けられることもあるかもしれません。

 


 Reportは以上になります。

  マナベースを調整しつつ、対【アグロ】にはライフゲインを、対【ランプ】には打点を用意する方向で考えてみました(。-∀-)。何度も(意識的に)「汎用性」という言葉を使用したかと思いますが、「1枚でいくつかの役割をするカード」が多く投入されていれば、様々な局面に対応しやすい受けの広いデッキになります。多色デッキの可能性はそれこそ無限大にありますので、色々試してみて下さいね(*-ω-)

 最後に…「GP東京2016」を優勝された熊谷選手の【ナヤ・ミッドレンジ】をご紹介させて頂きます。カードプールは異なりますが、洗練されたデッキかと思いますので宜しければ参考にしてみて下さい(*_ _)


φ(-_☆):「①にカードが強いこと、②にそれらが連動していること。

     強いデッキというのはそういうものだよ。」


 ではでは、ありがとうございました(*_ _)


 百人組手の人

Magic Duels 百人組手

マジックデュエルズ実践ブログ

2コメント

  • 1000 / 1000

  • 道場主

    2016.06.30 13:40

    お疲れ様でした(*_ _) 【PWS】は選択肢が広い分構築も難しいですよね。 カードパワーだけでは簡単に勝てないところがMTGの面白いところでもあります(。-∀-) また機会があれば再挑戦しても宜しいでしょう。 ありがとうございました(*_ _)
  • flafla77

    2016.06.30 04:36

    お疲れ様でした 完成度の高いPWSも見てみたいですね